Jose.川島良彰ら『コーヒーで読み解くSDGs』レビュー【コーヒーを通じて読み解かれたのは、矛盾だらけのSDGs】

コーヒー

コーヒーで読み解くSDGs

こんにちは。風読珈琲店のカエデと申します。

本日はJose.川島良彰らの作品『コーヒーで読み解くSDGs』をご紹介いたします。

本記事が、生活を彩る新たな一冊と出会うきっかけとなれば幸いです。

作品情報

公式紹介文

あたなの知らない、
コーヒーとSDGsの世界。
コーヒー、経済、開発援助の専門家3名がいざなう
コーヒーで未来を変える旅。

コーヒーには、
SDGsのアイデアがあふれている!

#コーヒー危機と世界経済
#コーヒーがもたらす健康と福祉
#コーヒー生産とジェンダー平等
#コーヒーが生み出す働きがい
#コーヒーで守る海、陸の豊かさ
#コーヒーで平和と公正を

SDGsは、環境、経済、社会に関わる
17の目標を掲げていますが、
それらの目標は、コーヒー業界が
SDGs以前から取り組んできた課題の
縮図でもあります。

大学教授、国際NGOの元職員、コーヒーハンターという
3人の著者がコーヒーを通して
SDGsを紐解き、解説していくことで、
誰もがコーヒーを通じてSDGsに
貢献できることに気付く。
コーヒーの価値観を変え、SDGsを理解できる
これまでにない一冊。

レビュー

コーヒーを通じて読み解かれたのは、矛盾だらけのSDGs。

生産するのは途上国だが、消費するのは先進国であるという歪みが存在するコーヒー産業。

本書はSDGs掲げる17のゴールをもとに、「持続可能な」開発の具体例を紹介しています。

SDGsを解説した本は多々あるが、身近な嗜好品と絡めた本書の視点はとても新しく、また、図や色もふんだんに活用されているため、サクサク読むことができました。

だがその分、17のゴールそれぞれがもつ曖昧さ、矛盾点が、かなり分かりやすい形で表出しているようにも感じられます。

何をもって「持続可能な」農業が達成されたと言えるのかは、個々人によって意見が様々でしょう。

そのため、何とかしてこの歪んだコーヒー産業界を是正したいというその「熱意」を注ぐ方向性は、なかなか共有しづらいものがあります。

それでも、本書で挙げられているような、明確な目標をもって行われてきた開発の数々は、その歪みの是正に多かれ少なかれ貢献してきたことは事実です。

SDGsの扱い方

最も問題なのは、漠然と「SDGsの達成に貢献します」と謳う行為。

良いことを言っている風で中身が何もないのです。

近年、SDGsがビジネスのイメージ向上のための道具として利用されているという批判が後を絶ちませんが、

SDGsそのものが内包する矛盾や不完全性を踏まえると、仕方のない点もありそうです。

SDGsは、国際問題を考える際の重要な指針となりうるのは確かです。

それをどう利活用していくのかは、各々の意識にゆだねられていると言えるでしょう。

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カフェ、革命、奴隷労働…。世界史上で重要な農作物だったコーヒーの秘密。

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