こんにちは。風読珈琲店のカエデです。
「経済圏」という言葉を聞いたことがありますか?
これは、同じ企業が展開する通信・金融・EC(ネット通販)などのサービスをまとめて使うことで、ポイントが効率よく貯まる仕組みのことです。楽天経済圏やPayPay経済圏が有名ですが、今回はその中でも注目度が高まっている「docomo経済圏」について解説します。
docomo経済圏の基本構造
ドコモ経済圏は、国内トップクラスのシェアを誇るdocomoの携帯回線・光回線ユーザーを中心に発展してきました。そこに以下のようなサービスを組み合わせることで、ポイントが貯まりやすくなっています。
- dカード(クレジットカード)
- d払い(キャッシュレス決済)
- dポイントカード
さらに最近では、
- マネックス証券の子会社化
- 住信SBIネット銀行の買収
- Amazonとの提携
などが進み、「通信・金融・ECの3本柱」が整いつつあります。
マネックス証券の子会社化
概要
- 実施日:2024年1月4日
- 出資額:約485億円
- 新会社名:ドコモマネックスホールディングス株式会社
- 出資比率:マネックスGが約51%、ドコモが約49%
- 実質支配:ドコモが取締役の過半数を指名できるため、連結子会社扱い。
目的と背景
- ドコモは金融事業への本格参入を目指し、マネックス証券のノウハウと顧客基盤を活用。
- 新NISA制度の開始に合わせて、初心者向けの資産形成サービスを提供。
- 「d払い」「dカード」「dポイント」などと連携し、スマホアプリから投資が可能に。
サービス展開
- 「かんたん資産運用」アプリを共同開発し、d払い上で提供。
- ドコモの約9600万人の会員データとマネックスの投資データを活用し、パーソナライズされた金融CRMを構築。
- ドコモショップでの金融教育コンテンツ提供も予定。
住信SBIネット銀行の買収
概要
- 買収発表日:2025年5月29日
- 買収方法:公開買付け(TOB)による株式取得
- 取得額:最大約4,200億円
- 持株比率:ドコモが65.81%、三井住友信託銀行が34.19%
- 議決権比率:ドコモと三井住友信託銀行がそれぞれ50%
- 完了予定:2025年11月
この買収により、住信SBIネット銀行はドコモの連結子会社となり、ドコモは銀行業に本格参入します。
目的と背景
ドコモ側の目的
- 金融経済圏の完成:KDDI(auじぶん銀行)、ソフトバンク(PayPay銀行)、楽天(楽天銀行)に対抗するため。
- スマートライフ事業の強化:dカード、d払い、マネックス証券などと連携し、スマホ1つで金融サービスを完結させる。
- BaaS事業の拡大:住信SBIのNEOBANK®を活用し、法人向け金融サービスを拡充。
住信SBIネット銀行側の事情
- SBI証券との連携で成長してきたが、単独では限界があり、ドコモの顧客基盤や販売網を活用してさらなる成長を目指す。
- SBIグループは新生銀行の再建資金確保のため、住信SBIを手放す決断。
SBI証券との関係維持
- 課題:ドコモはマネックス証券を子会社化しており、住信SBIネット銀行とSBI証券の関係が競合する可能性がある。
- 対応策:
- NTTとSBIホールディングスは「公平かつ公正に両社を扱う」ことを合意。
- 顧客中心主義に基づき、既存の銀証連携(例:SBIハイブリッド預金)を維持する方針。
課題
- ブランド・システムの統合:dスマートバンクとの重複、マネックス証券との連携整理が必要。
- 中立性の維持:NEOBANKの提携先企業がドコモ色に染まることへの懸念。
- UI/UXの改善:dアカウントの使い勝手向上に向けて、住信SBIのノウハウを活用予定。
Amazonとの提携
Amazonでdポイントが「貯まる・使える」
- 対象者:dポイントクラブ会員(ドコモ回線契約の有無は不問)
- 条件:Amazon.co.jpでの買い物が1回5,000円(税込)以上
- 還元率:購入金額の1%分のdポイント(上限100ポイント/回)
- 利用方法:dアカウントとAmazonアカウントを連携することで、dポイントとAmazonポイントの両方が貯まり、両方使えるようになります。
Amazonプライム登録でdポイント還元
- 対象者:ドコモ回線契約者
- 特典:
- 月額プラン登録で毎月120ポイント還元(期間・用途限定)
- 初回登録時は月額600円の会費が3か月間割引
追加還元条件
- 以下の条件を満たすと、さらに1%のdポイントが追加還元されます:
- 「eximo」「ahamo」「ギガホ」契約者
- 60歳以上のユーザー
- これにより、最大3.5%の還元が可能になります(基本0.5%+Amazon提携1%+条件追加1%)。
ライトユーザー向け:基本の3点セット
初心者でも始めやすい組み合わせはこちらです。
- dポイントカード
お店で提示するだけで0.5〜1%のポイント還元。アプリでキャンペーン情報も確認できます。 - dカード(年会費無料)
基本1%還元。松本清やスターバックスカードチャージなどで最大3%還元。 - d払い
支払い元にdカードを設定すると、
– dカード提示:0.5%
– d払い:0.5%
– 支払い元dカード:0.5%
合計最大2%還元になります。
さらに、dポイント会員ランクを上げると最大4%還元までアップします。3か月で5000ポイント以上貯めると最上位ランク(★5)になります。
d NEOBANK(旧住信SBIネット銀行)
2025年10月から新ブランド「dネオバンク」としてスタート。
- ATM・振込が月5回まで無料
- スマホで完結
- 自動入金・振込など便利機能も豊富
ヘビーユーザー向け:本気で得する
- ドコモスマホプラン(ドコモマックス/ahamoなど)
家族割・光割・電気割・dカード割を組み合わせると大幅値引き。ポイ活プランなら最大10%還元も可能。 - dカード GOLD/プラチナ
年会費は高め(1.1万〜2.97万円)ですが、スマホ料金・光回線・電気代などで最大20%還元。 - ドコモ光
ネット料金:戸建て5720円/マンション4400円。スマホとのセットで毎月1210円割引。dカードで支払うとさらに最大20%還元。 - ドコモ電気(グリーンプラン)
dカードGOLDで10%、プラチナで最大20%還元。ガスとセットでさらに+2%UP。 - マネックス証券 × dカード積立
積立NISAで最大3.1%還元。ポイ活プラン併用で最大4.1%還元も可能。
上級者向け:日興フロッキーでポイント投資
貯めたdポイントをそのまま投資に使えます。
- 投資信託を購入 → 売却 → 口座に出金
これにより、実質的にポイントを現金化することも可能です。
※月5万ポイントまでの上限があるので注意が必要です。
まとめ
ドコモ経済圏は「単体だと高いけど、まとめて使えば超お得」な仕組みです。
まずは、dカード・d払い・dポイントの基本3点から始めて、慣れてきたら光・電気・投資まで広げていくのがおすすめです。
- 家族でガッツリ使うなら「ヘビーユーザー型」
- 他社と組み合わせて使うなら「ライトユーザー型」
あなたの生活スタイルに合わせて、上手にドコモ経済圏を活用してみましょう。