こんにちは。風読珈琲店のカエデです。
新NISAを始めるときに、ほぼ全員が一度は迷うのが「S&P500とオルカン、どっちを買えばいいの?」という問題です。ネットで調べると「どちらも優秀」「好みで選べばOK」という記事ばかりで、結局決められない……という方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、違いを3つだけに絞って整理したうえで、「20代で1本に絞るならどっちか」の結論をはっきり出します。あわせて、新NISAのつみたて投資枠でS&P500を積み立ててきた私自身の実例と、そちらを選んだ理由も正直にお話しします。
この記事でわかること
- S&P500とオルカンの本当に大事な違い3つ(中身・コスト・値動き)
- 20代で1本に絞るときの判断基準と結論
- S&P500を積み立てている私の実際の評価額の推移と選んだ理由
- 夫婦で分ける?両方持つ?乗り換える?というよくある迷いどころ
結論:迷ったらオルカン、「米国に賭ける」と言い切れるならS&P500

先に結論からお伝えします。
20代で1本に絞るなら、迷っている時点でオルカン。「今後も米国が世界をリードする」と自分の言葉で言い切れる人だけS&P500
これが私の答えです。理由はシンプルで、オルカンの中身の6割強はすでに米国株だからです。オルカンを選んでも米国の成長はしっかり取り込めますし、もし米国以外の国が伸びる時代が来ても、その恩恵を自動で受けられます。つまりオルカンは「どっちが伸びるか分からない」という迷いそのものを商品にしたものなんですね。
一方でS&P500は、「米国に集中する」という一つの判断を含んだ商品です。過去の成績ではS&P500が上回った期間が長いものの、それは「過去の米国が強かった」という事実であって、この先も続く保証はありません。その判断を自分で引き受けられるなら、S&P500は十分に合理的な選択です。

どちらを選んでも「大失敗」にはなりにくい2本です。一番もったいないのは、迷い続けて積立を始めないこと!
S&P500とオルカンの違いは3つだけ

比較記事ではたくさんの項目が並びがちですが、実際に判断に効いてくる違いは次の3つだけです。代表的な商品である「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」と「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(以下オルカン)で比べていきます。
オルカン系の投資信託どうしの比較(どのファンドを選ぶか)は、下記記事も併せてご確認ください。

違い① 中身:米国の約500社か、世界の約2,500銘柄か
S&P500は、米国を代表する約500社に投資する指数です。アップル・マイクロソフト・エヌビディアといった巨大テック企業が上位に並びます。
オルカンは、日本を含む先進国と新興国の株式約2,500銘柄に、時価総額の比率どおりに投資します。ただし、ここで知っておきたいのが国別の比率です。
- 米国:62.8%
- 日本:4.9%
- イギリス:3.2%
- カナダ:3.0%
- 台湾:2.9%
- その他:約23%
※eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の国別構成比、2026年4月末時点(日本経済新聞の投信データより)
見てのとおり、オルカンの6割強は米国株です。しかも、2026年8月末時点のオルカンの組入上位10銘柄を見ると、台湾のTSMCを除く9銘柄(エヌビディア、アップル、マイクロソフト、アマゾン、アルファベット、ブロードコム、メタ、マイクロン)はすべてS&P500の構成銘柄でもあります。
「オルカン=世界中にバラバラに分散」ではなく、「米国6割強+それ以外4割弱」というのが実態に近いイメージです。この「重なり」の大きさは、S&P500とオルカンを両方持つかどうかを考えるときにも効いてきます(後半で詳しく触れます)。
違い② コスト:どちらも超低コストで、差は年数百円
| eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン) | |
|---|---|---|
| 信託報酬(税込) | 年0.0814%以内 | 年0.05775%以内 |
| 100万円を1年保有したときのコスト | 約814円 | 約578円 |
| 購入時手数料 | なし | なし |
| NISAの対象 | つみたて投資枠・成長投資枠 | つみたて投資枠・成長投資枠 |
コスト面ではオルカンのほうがわずかに安いですが、100万円あたり年200円ほどの差です。どちらも業界最安水準なので、コストを理由にどちらかを選ぶ必要はほぼありません。むしろ注意したいのは、同じS&P500やオルカンの名前がついていても、信託報酬が何倍も高い商品が存在することです。買う前に「eMAXIS Slim」などの低コストシリーズかどうかは必ず確認しておきましょう。
違い③ 値動き:上がるときも下がるときも、S&P500のほうが振れ幅が大きい
S&P500は米国1か国・米ドル1通貨に集中しているぶん、値動きの振れ幅が大きくなりやすいです。
分かりやすい例が2025年の春です。米国の関税政策をきっかけに世界的に株価が下がり、同時に円高も進みました。SBI証券の集計によると、2025年の年初から5月14日までの騰落率は次のとおりでした。
| 期間:2024年12月30日〜2025年5月14日 | 騰落率 |
|---|---|
| eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン) | −4.0% |
| eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | −7.8% |
米国発の下落と円高が重なる局面では、米国100%のS&P500のほうがダメージが大きくなります。逆に、米国株が世界をけん引する上昇局面ではS&P500が上回りやすく、過去5年・10年といった長い期間で見ると、S&P500のリターンが上回った時期が長く続いてきました。
S&P500は「上振れも下振れも大きい」、オルカンは「米国の動きを少しマイルドにしたもの」と覚えておくと、違いがつかみやすいと思います。
違いを一覧表で整理
| 比較項目 | S&P500 | オルカン |
|---|---|---|
| 投資先 | 米国の約500社 | 世界の約2,500銘柄(米国6割強) |
| 通貨 | 米ドルのみ | 米ドル中心に複数通貨 |
| 信託報酬(eMAXIS Slim) | 年0.0814%以内 | 年0.05775%以内 |
| 値動きの大きさ | 大きめ | S&P500よりややマイルド |
| 過去の成績 | 上回った期間が長い | 米国以外が強い局面では上回ることも |
| 向いている人 | 米国の成長に賭けると決められる人 | どの国が伸びるか予想したくない人 |
20代で1本に絞るなら、判断基準は「自分の言葉で説明できるか」
では、実際にどちらか1本を選ぶとき、何を基準にすればいいのでしょうか。私のおすすめは「なぜその商品を選んだのか、1分で人に説明できるか」です。
長期投資で一番怖いのは、暴落したときに不安になって売ってしまうことです。「なんとなく人気だったから」で選んだ商品は、下がったときに持ち続ける理由が見つかりません。反対に、選んだ理由を自分で言えるなら、値下がりしても「想定内」と思えます。
オルカンが向いている人
- 国を選ぶ自信がない人:「米国が今後も一番」と言い切れないなら、市場の比率に任せるのが一番公平
- インデックスだけで資産を完結させたい人:日本株を含め、世界全体を1本でカバーできる
- 値動きのストレスを少しでも減らしたい人:S&P500より振れ幅がややマイルド
- 投資先を二度と見直したくない人:国の勢力図が変わっても、指数側が自動で比率を調整してくれる
S&P500が向いている人
- 米国の成長に賭けると決めている人:イノベーションや株主還元の強さなど、米国を選ぶ理由を自分で持っている
- 日本株などを別に持っている人:インデックス側で日本を持つ必要が薄い
- 下落局面でも積立を止めない自信がある人:振れ幅の大きさを受け入れられる
そして、どちらを選んだとしても、選んだ1本を淡々と積み立て続けることが何より大切です。途中で「やっぱりあっちのほうが良かったかも」と入れ替えを繰り返すと、手間もかかりますし、高値で買って安値で売るという一番避けたい行動につながりかねません。
私がS&P500を積み立てている理由と、評価額の推移

ここからは、私自身の実例です。結論では「迷ったらオルカン」と書きましたが、私自身は新NISAのつみたて投資枠でeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を積み立てています。
旧つみたてNISA時代は「全世界(除く日本)」とS&P500の併用だった
実は最初からS&P500一本だったわけではありません。2023年の旧つみたてNISAでは、次のように複数のファンドを買っていました(2024年3月時点の運用報告より)。
| ファンド | 取得価額 |
|---|---|
| eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) | 219,008円 |
| eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 176,005円 |
| eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 5,000円 |
オルカンもお試しで5,000円だけ買っていました。いま振り返ると、似たような中身のファンドを3本に分けていただけで、分散の効果はほとんどありませんでした。この反省から、新NISAが始まった2024年からはつみたて投資枠をS&P500の1本に絞りました。
S&P500を選んだ理由は「日本株は個別株で持っているから」
オルカンではなくS&P500にした一番の理由は、日本株は個別株で別に持っているからです。私の資産はインデックス投資と国内の個別株(高配当株中心)がおおよそ6:4で、日本株への投資は個別株側で十分にしています。そのため、インデックス側では日本を含める必要が薄く、旧つみたてNISAでも「全世界(除く日本)」を選んでいました。
そのうえで、「全世界(除く日本)」と「S&P500」を比べたとき、中身の大部分が米国株で重なるなら、自分が納得して持てる米国一本にしようと決めた、という流れです。勤務先の企業型DCでも、限られた商品ラインナップの中からS&P500インデックスを選んでいます。

逆に、個別株を持っていない友人から「どっちがいい?」と聞かれたら、私はオルカンをすすめています。何を選ぶかは、ほかに何を持っているかで変わります。
つみたて投資枠のS&P500、評価額の推移
毎月公開している運用報告から、つみたて投資枠のeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の評価額を抜き出すと、次のようになります。
| 時点 | 評価額 | 評価損益 |
|---|---|---|
| 2025年1月 | 475,074円 | +65,066円(+15.86%) |
| 2025年7月 | 675,751円 | +85,742円(+14.53%) |
| 2025年12月 | 916,916円 | +191,894円(+26.46%) |
| 2026年8月 | 1,444,309円 | +379,303円(+35.61%) |
2025年1月から7月にかけては、評価額は積立で増えているのに、損益率は+15.86%から+14.53%へと少し下がっています。これは先ほど紹介した2025年春の下落と円高の影響です。数字だけ見ると小さく見えますが、当時は毎日のように「米国株が急落」というニュースが流れ、正直あまり気分のいいものではありませんでした。それでも積立を止めなかったことで、その後の回復局面では安く買えた分が効いています。
S&P500を選ぶなら、こうした下落局面を「想定内」と思えるかどうかが分かれ目です。私は「日本株を個別株で持っている」という理由があったので、米国一本の振れ幅も納得して受け入れられました。
毎月の運用状況は下記記事で公開しています。

よくある迷いどころは3つ|夫婦・併用・乗り換え
S&P500かオルカンかを決めたあとも、生活の変化や相場の動きに合わせて迷いは出てきます。特に相談が多い3つのテーマは、それぞれ個別の記事で深掘りしています。
夫婦で同じ商品にする?分ける?
NISAは1人1口座なので、結婚すると「夫婦でS&P500とオルカンを分けたほうが分散になる?」という疑問が出てきます。結論から言うと、中身が6割以上重なるので、分けても分散効果は限定的です。世帯全体でどう考えればいいかは、共通口座と個人口座で家計を分けている我が家のルールとあわせて、下記記事にまとめています。

S&P500とオルカンを両方持つのは意味ない?
「両方持てば良いとこ取り」と考えがちですが、両方を半分ずつ持つと、米国の比率は8割を超えます。どれくらい重なっているのか、それでも両方持つ意味があるのはどんなケースかを、図で解説しています。

S&P500からオルカンに乗り換えるべき?
米国株が大きく下がったときなどに検討したくなるのが乗り換えです。ただ、NISAの非課税枠は売却しても翌年まで戻らないなど、知らずに動くと損をするポイントがあります。

どこで・どうやって買う?|ネット証券+クレカ積立+新NISA

S&P500もオルカンも、主要なネット証券(SBI証券・楽天証券・マネックス証券など)で、100円から購入できます。始め方は次の3ステップです。
- ネット証券でNISA口座を開く:NISA口座は1人1口座。普段使っているポイントやカードに合わせて選ぶのが続けやすいです
- クレカ積立を設定する:毎月の積立をクレジットカード払いにすると、積立額に応じてポイントが貯まります
- つみたて投資枠で毎月自動購入:あとは基本的にほったらかしでOK
私はSBI証券で、三井住友カード ゴールド(NL)を使ったクレカ積立をしています。証券会社ごとのクレカ積立のポイント還元率は下記記事で比較しています。

新NISAでは、つみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円、生涯の非課税保有限度額が1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円)です。S&P500もオルカンも、つみたて投資枠・成長投資枠のどちらでも買えます。20代なら、まずは無理のない金額でつみたて投資枠を使うところから始めましょう。
よくある質問
Q. 結局、どっちが儲かるの?
A. 将来どちらが上回るかは誰にもわかりません。過去はS&P500が上回った期間が長いですが、米国以外の株が強い局面ではオルカンが上回ることもあります。だからこそ、「どっちが儲かるか」ではなく「どっちなら下がっても持ち続けられるか」で選ぶのがおすすめです。
Q. 為替(円高)の影響はどちらが大きい?
A. S&P500のほうが大きくなりやすいです。S&P500は米ドル資産100%、オルカンも6割強が米ドル資産なので、どちらも円高のときは基準価額が下がります。ただ、オルカンはユーロや英ポンドなどにも分散しているぶん、影響がややマイルドです。
Q. NASDAQ100のほうが伸びるって聞いたけど?
A. NASDAQ100はS&P500よりさらにハイテク株に集中した指数です。リターンもリスクもさらに大きくなるので、私は成長投資枠で少額だけ持つ「サテライト」の位置づけにしています。詳しくは下記記事をご覧ください。

Q. 新しく出た「オルカン高配当」はどう?
A. 20代の資産形成期なら、普通のオルカン(またはS&P500)で十分だと考えています。名前は似ていても中身は別物です。理由は下記記事にまとめています。

Q. インデックス投資の考え方をもっと知りたい
A. オルカン一本での運用を勧める名著『ほったらかし投資術』の解説記事がおすすめです。オルカンを選ぶ理由を体系的に理解できます。

金を「守りのサテライト」として少しだけ組み込むなら、下記記事も併せてご確認ください。

まとめ
- S&P500とオルカンの違いは、中身(米国500社か、米国6割強の世界2,500銘柄か)・コスト・値動きの3つ
- コストはどちらも業界最安水準で、100万円あたり年200円ほどの差
- S&P500は上振れも下振れも大きく、2025年初〜5月中旬はオルカン−4.0%に対しS&P500は−7.8%
- 20代で1本に絞るなら、迷ったらオルカン、米国に賭けると言い切れるならS&P500
- 私は日本株を個別株で持っているため、インデックス側はS&P500一本。評価額は2026年8月時点で約144万円(+35.61%)
- 夫婦で分ける・両方持つ・乗り換えるといった迷いは、重なりの大きさとNISAのルールを踏まえて判断する
どちらを選んでも、長く続ければ大きな差にはなりにくい2本です。一番大切なのは、自分が選んだ理由を持って、淡々と積立を続けること。この記事が、最初の1本を決めるきっかけになれば嬉しいです。
※本記事の数値は2026年9月26日時点で確認できた情報(三菱UFJアセットマネジメント、日本経済新聞、SBI証券の公表データ)をもとにしています。国別構成比や騰落率は変動します。特定の商品の購入・売却を推奨するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。

