こんにちは。風読珈琲店のカエデです。休日に古本屋を何軒もはしごするのが好きなのですが、境内いっぱいに古本が並ぶ「青空古本市」はまた格別の楽しさがあります。今回は、京都で50回目の節目を迎える、秋の恒例イベントをご紹介します。
「第50回 秋の古本まつり」が、2026年10月30日(金)から11月3日(火・祝)まで、百万遍知恩寺(京都市左京区)の境内で開催されます。京都古書研究会が主催する「京の三大古本まつり」のひとつで、今年で節目の50回目を迎える歴史あるイベントです。会期・見どころ・アクセスをまとめました。
文化の日にあわせて毎年恒例で開催されているだけあって、常連の古本好きの間では「秋の京都の風物詩」としてすっかり定着しています。
開催概要——会期・会場・料金

「秋の古本まつり」は毎年、文化の日(11月3日)にあわせて百万遍知恩寺で開催されている恒例行事です。まずは会期や料金など、基本情報を押さえておきましょう。
- 会期:2026年10月30日(金)〜11月3日(火・祝)
- 会場:百万遍知恩寺 境内(京都市左京区田中門前町)
- 開催時間:10:00〜17:00(初日は古本供養終了後に開店)
- 入場料:無料
- アクセス:市バス206系統「百万遍」下車すぐ
会期中はほぼ毎日、朝から夕方まで開催されているので、大学の後期授業が始まったばかりの学生さんはもちろん、平日休みが取れる社会人の方も訪れやすいスケジュールです。入場は無料なので、ふらっと覗きに行くだけでも十分楽しめます。
今回は記念すべき第50回。前身となる催しから数えて半世紀近くにわたって続いてきた計算になり、京都の秋の風物詩として地域に根づいてきたことがうかがえます。長年通っている常連客も多く、初日から最終日まで日替わりで顔を出す方も珍しくないそうです。

見どころ——約20万冊の古本と、初日の「古本供養」

会場には京都・大阪・奈良・三重・神戸など広域の古書店が集まり、境内いっぱいに約20万冊もの古本が並びます。文庫・単行本から専門書、全集まで幅広いジャンルが揃うので、目当てのジャンルがなくても、歩いているだけで思わぬ一冊に出会えるのが青空古本市の醍醐味です。
屋内の書店とは違い、テントごとに扱うジャンルや値付けの雰囲気が少しずつ異なるのも青空古本市ならではの面白さです。文学作品を中心にした店、専門書に強い店、雑誌・サブカルチャー系に強い店など、テントを一軒ずつまわるだけでも、京都の古書業界の多様さを実感できます。値付けも店によって個性が出るので、同じ本を複数の店で見比べてから購入するのも、青空古本市ならではの楽しみ方です。
- 古本供養:初日10月30日、開店前に境内で執り行われる、売れ残った古本を弔う恒例の儀式
- 全集コーナー:文学全集・専門全集などをまとめて扱うコーナーを設置
- チャリティーオークション:会期中に恒例で実施される、掘り出し物が並ぶオークション企画
「古本供養」は、売れ残ってしまった古本に感謝し弔うための儀式で、寺院で開催される古本まつりならではの光景です。初日の開店前に執り行われるため、儀式から見学したい方は少し早めに会場入りするのがおすすめです。なお、今年は児童書コーナーが設けられない予定とのことなので、絵本や児童書を目当てにしている方は事前に留意しておくとよさそうです。
チャリティーオークションは、掘り出し物の稀覯本や状態の良い全集などが出品されることもあり、掲示された値札を眺めているだけでも楽しめる企画です。開催日時は会期中の特定日に限られることが多いので、参加を狙っている方は事前に公式サイトやSNSで日程を確認しておくと確実です。売上の一部がチャリティーに充てられる仕組みになっていることも多く、掘り出し物探しと社会貢献を両立できるのも魅力のひとつです。
購入した本は、荷物を増やしたくない方向けに有料の自宅発送サービスも用意されています。長期の会期中に何度も通って少しずつ買い足す、という楽しみ方をしている常連の方も多いイベントです。

会場の百万遍知恩寺について
会場となる百万遍知恩寺は、浄土宗の大本山のひとつで、正式名称は「長徳山 知恩寺」といいます。「百万遍」という通称は、かつて疫病が流行した際に念仏を百万回唱えて鎮めたという故事に由来していて、今では周辺の地名としても定着しています。
広い境内は普段から地域の人々に開かれた雰囲気があり、毎月15日には「百万遍さんの手づくり市」というクラフトマーケットも開催されています。古本まつりの会期中は、そうした普段の落ち着いた雰囲気とはまた違う、賑やかな一面を見せてくれます。
京都大学のキャンパスに隣接する立地もあって、学生や研究者にもなじみ深いお寺です。専門書や学術書を扱う古書店も出店することが多いので、実用書から研究資料まで、幅広いニーズに応えられる品揃えになりやすいのも特徴のひとつです。
「京の三大古本まつり」のひとつとして
本まつりは、京都古書研究会が主催する「京の三大古本まつり」のひとつに数えられています。もう一つの代表格である夏の「下鴨納涼古本まつり」は、以前このブログでも取り上げました。会場は下鴨神社の糺の森と百万遍知恩寺で異なりますが、どちらも境内いっぱいに古本が並ぶ光景は共通していて、季節ごとに違った雰囲気を楽しめます。
夏の下鴨納涼古本まつりが「涼を取りながら本を探す」納涼イベントとしての側面が強いのに対して、秋の古本まつりは文化の日という祝日にあわせた、より「読書の秋」らしい落ち着いた雰囲気が特徴です。同じ主催者による古本まつりを季節ごとに見比べてみると、それぞれの個性がより際立って感じられると思います。

今年は記念すべき第50回という節目にあたるため、例年以上に力の入った企画が期待できそうです。半世紀近く続いてきたイベントだからこそ、京都の古書業界や地域とのつながりの深さも感じられます。最新情報や当日の様子は、京都古書研究会の公式Xでも随時発信されているので、訪問前にチェックしておくと安心です。

アクセスと来場のポイント

会場の百万遍知恩寺は、京都大学のすぐ近くに位置する大きな寺院で、「百万遍さん」の愛称で親しまれています。周辺には学生街らしい喫茶店や食堂も多く、古本探しの合間に一息つく場所にも困りません。
- 住所:京都市左京区田中門前町103
- アクセス:市バス206系統「百万遍」下車すぐ、または京阪出町柳駅から徒歩約15分
- 開催時間:10:00〜17:00(初日は古本供養終了後開店)
- 入場料:無料
会期は5日間と長めですが、文化の日(11月3日)の最終日は特に人出が多くなる傾向があるので、混雑を避けてじっくり選びたい方は平日の来場がおすすめです。11月に入ると京都も本格的に秋めいてくる時期なので、周辺の紅葉スポットや大学構内の散策とあわせて訪れるのも良さそうです。
境内は屋外なので、天候によって足元がぬかるむこともあります。歩きやすい靴で訪れるのはもちろん、購入した本を持ち帰るための大きめのバッグやエコバッグを用意しておくと、両手がふさがらず快適に見て回れます。長時間の散策になりがちなイベントなので、水分補給用の飲み物を持参しておくのもおすすめです。
青空古本市を楽しむためのちょっとしたコツ
初めて青空古本市を訪れる方に向けて、少しだけ楽しみ方のコツをまとめておきます。屋内の書店とは勝手が違う分、知っておくと快適に過ごせるポイントがいくつかあります。
- 端から端まで一通り歩いてから戻る:気になった本をすぐ買わずに全体を見渡してから選ぶと、後悔の少ない買い物ができる
- 現金を多めに用意しておく:店舗によってはキャッシュレス決済に対応していない場合もある
- 目当てのジャンルが決まっている場合は早めの時間帯に:人気の本は初日・週末の早い時間に売れてしまうことも多い
- 荷物は最小限に:両手が空いていた方が、本を持ち歩いたり選んだりしやすい
特にジャンル分けが緩やかなテントも多いので、思いがけないコーナーで掘り出し物に出会えることも青空古本市の醍醐味です。時間に余裕を持って、じっくり境内を歩き回ってみてください。値札のついた本を一冊ずつ手に取りながら歩く時間そのものが、日常の喧騒から離れられるちょっとした贅沢だと感じています。
まとめ
- 「第50回 秋の古本まつり」は百万遍知恩寺で2026年10月30日〜11月3日開催、入場無料
- 境内に約20万冊の古本が並び、初日には古本供養も執り行われる
- 「京の三大古本まつり」のひとつで、今年は節目の第50回
- 今年は児童書コーナーがない点に注意
- 最終日(文化の日)は混雑しやすいので、平日の来場がおすすめ
50回という長い歴史を積み重ねてきた古本まつりだからこそ味わえる、境内いっぱいの古本と穏やかな秋の空気。文化の日の連休にあわせて、掘り出し物を探しに足を運んでみてはいかがでしょうか。普段は電子書籍やネット書店ばかりという方も、たまには紙の本を手に取りながら偶然の出会いを楽しむ、そんな読書の秋の過ごし方はいかがでしょうか。

