こんにちは。風読珈琲店のカエデです。
2026年10月7日、MCデジタル・リアルティ(MCDR)が、大阪府茨木市の彩都にあるデータセンター群「KIXキャンパス」で、新しいデータセンター「KIX15」の建設に着工したと発表しました。サーバー用電源容量24MW、2028年第4四半期のサービス開始予定で、生成AI向けの需要を見込んだ施設です。
私は結婚するまで北摂の豊中市に住んでいたので、彩都は「モノレールの終点のほうの、丘の上の新しい街」というイメージでした。その彩都が、いまや関西有数のデータセンター集積地になっています。この記事では、公式発表をもとにKIX15の概要と、なぜ北摂の丘陵地にデータセンターが集まるのかを、IT業界にくわしくない人向けに整理します(2026年10月11日時点の情報です)。
KIX15の概要

まずは公式発表の数字を表にまとめます。
| 名称 | KIX15(MCデジタル・リアルティ KIXキャンパス5棟目) |
|---|---|
| 所在地 | 大阪府茨木市(彩都エリア) |
| 事業者 | MCデジタル・リアルティ(三菱商事とDigital Realtyの50:50合弁) |
| 着工発表 | 2026年10月7日 |
| サービス開始 | 2028年第4四半期(予定) |
| サーバー用電源容量 | 24MW |
| 延床面積 | 17,672.49㎡ |
| 構造 | 地下1階・地上3階、免震構造 |
| 冷却 | 空冷・液冷のハイブリッド対応 |
「KIX」は関西国際空港の空港コードでおなじみですが、ここでは空港とは関係なく、Digital Realtyグループが大阪の拠点に付けている名前です。KIX15はKIXキャンパスの5棟目にあたり、完成するとMCDRの国内データセンターは10棟、IT容量は合計約220MWになる見込みです。
詳しくは公式のプロジェクトページもご確認ください。

24MWってどれくらい?数字の読み方
データセンターの規模は、床面積よりも「どれだけの電力をサーバーに供給できるか(MW=メガワット)」で表すのが一般的です。サーバーの台数や性能は電力に比例するので、電源容量がそのまま「計算能力の器の大きさ」を示します。
- 24MW:KIX15単体のサーバー用電源容量。同じキャンパスで2023年に開設されたKIX13は最大21MWだったので、それより一回り大きい
- 約220MW:KIX15完成後のMCDR国内ポートフォリオ全体
- 延床約1.77万㎡:地上3階建てなので、背の高いビルではなく横に広い建物
ポイントは、床面積に対して電力が大きい「高密度」な設計になっていることです。生成AIの学習や推論に使うGPUサーバーは、従来のサーバーよりはるかに多くの電力を使い、熱も出します。そのための器として作られているのがKIX15です。
AI時代の要は「冷却」:空冷・液冷のハイブリッド

KIX15の特徴として公式に挙げられているのが、空冷と液冷のハイブリッド冷却への対応です。
- 空冷:冷たい空気をサーバーに当てて冷やす従来型の方式。一般的なサーバーならこれで十分
- 液冷:冷却液をサーバーの近くまで循環させて直接熱を奪う方式。発熱の大きいGPUサーバーに向いている
ノートパソコンでも、重い処理をするとファンが全開になって熱くなりますよね。AI用のサーバーはそれが何千台もラックに詰め込まれている状態なので、空気だけでは冷やしきれなくなってきています。両方に対応しておけば、通常のクラウド用途とAI用途のどちらの顧客も受け入れられる、というわけです。
また、地下1階・地上3階の免震構造も特徴です。地震の多い日本では、データセンターが揺れで止まらないことが大前提になります。
なぜ彩都にデータセンターが集まるのか
KIXキャンパスの歴史は意外と長く、2017年に最初のKIX10が稼働し、その後KIX11、2023年にKIX13と増設されてきました。KIX13の開設時点でキャンパス全体のIT容量は70MWを超えていて、KIX15でさらに拡大します。
彩都は大阪市中心部から約20km、茨木市と箕面市にまたがる北摂の丘陵地です。データセンターの立地としては、次のような点がよく挙げられます(ここからは一般論としての整理です)。
- 都市部に近い:大阪の中心部や企業のオフィスと通信距離が短く、遅延が小さい
- 東京のバックアップ:首都圏のデータセンターが被災したときに備えて、離れた関西に拠点を分散したい企業が多い
- まとまった土地:開発された丘陵地で、大きな区画を確保しやすい
豊中に住んでいた頃は、北摂といえば「住みやすいベッドタウン」という印象しかありませんでしたが、実はネットのインフラを支える拠点でもあると知ると、見え方が少し変わります。
「関西AIインフラ共創プロジェクト」の一環

MCDRはKIX15を「関西AIインフラ共創プロジェクト」の一環と位置づけています。想定している利用者は、ハイパースケーラー(巨大クラウド事業者)、クラウド事業者、AI関連企業などです。
ネットワーク面では、Digital Realtyの「PlatformDIGITAL」「ServiceFabric」や複数の通信事業者との接続、「Metro Connect」などにより、大阪の都市部や国内外の拠点とつながるとしています。建物単体ではなく、キャンパスとして拡張しやすい点も強調されています。
私たちの生活にはどう関係する?
データセンターは普段目にすることのない施設ですが、私たちが毎日使うサービスの裏側にあります。
- 生成AIのサービス:チャットAIや画像生成などは、こうした施設のGPUサーバーで動いている
- クラウドサービス:スマホの写真のバックアップ、会社のメールやTeams、ネット銀行のシステムなど
- 関西のサービス品質:近くにデータセンターがあると、通信の遅延が小さくなり、災害時の分散にもつながる
私は普段、会社でMicrosoft 365やIntuneを触ることが多いのですが、こうしたクラウドサービスも、どこかのデータセンターで動いています。関西にAI向けの大型拠点が増えるのは、利用者にとってもプラスの話だと感じます。

まとめ
- KIX15はMCデジタル・リアルティが茨木市・彩都のKIXキャンパスに建設する5棟目のデータセンター(2026年10月7日着工発表)
- サーバー用電源容量24MW、延床約1.77万㎡、地下1階・地上3階の免震構造
- 空冷・液冷のハイブリッド冷却で、生成AI向けの高発熱サーバーに対応
- サービス開始は2028年第4四半期の予定。完成後、MCDRの国内拠点は10棟・約220MWに
- 北摂の丘陵地・彩都は、関西のデータセンター集積地になっている
2028年の完成まで約2年。北摂の元住民としては、あの丘の上でAI時代のインフラが育っていくのを、ニュースで追いかけていこうと思います。

