こんにちは。風読珈琲店のカエデです。
2026年10月1日、SBIグローバルアセットマネジメントがこどもNISA専用・信託報酬0.00%の全世界株式ファンド「SBI・ゼロ・オールカントリー・インデックス・ファンド」(愛称:ゼロカン)の設定を発表しました。同じ日にこどもNISAの口座開設の事前受付も各社で始まり、「子どもの口座はSBI証券でゼロカン一択?」という声をSNSでもよく見かけます。
ただ、「信託報酬ゼロ」という言葉のインパクトに対して、実際のメリットの大きさや、買える条件・18歳以降の扱いには知っておきたい注意点がいくつかあります。この記事では、公式発表と報道をもとにゼロカンの注意点5つと、どんな家庭に向いているかを整理します。
ゼロカンとは?基本スペックをおさらい

まずは公式発表(2026年10月1日時点)で確認できる内容をまとめます。
- 正式名称:SBI・ゼロ・オールカントリー・インデックス・ファンド(愛称:ゼロカン)
- 運用会社:SBIアセットマネジメント(SBIグローバルアセットマネジメントグループ)
- 連動を目指す指数:MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(いわゆる全世界株式)
- 信託報酬:年率0.00%
- 設定日:2026年11月17日
- 購入できるタイミング:こどもNISAの制度開始(2027年1月予定)から
- 購入方法:積立購入はこどもNISAに限定
同時に、一般向けの「SBI・オールカントリー・インデックス・ファンド」(信託報酬 年率0.055%)も設定されます。中身(連動指数)は同じで、こどもNISAの子どもだけがコストゼロ版を買える、という設計です。
こどもNISAそのものの仕組み(0〜17歳・年60万円・上限600万円・12歳から払い出し可)は、下記記事で詳しくまとめています。

注意点1:「信託報酬ゼロ」でもコストは完全にゼロではない
ゼロカンの「0.00%」は、運用会社・販売会社・信託銀行に支払う信託報酬がゼロという意味です。投資信託には信託報酬以外にも、ファンドの中で次のような費用がかかります。
- 監査報酬:監査法人に支払うファンド監査の費用
- 売買委託手数料:ファンドが株式を売買するときの手数料
- 外貨建て資産の保管費用:海外株式を保管するための費用
これらは公式発表でも「別途発生する」と明記されています。全世界株式は海外資産が中心なので、保管費用などはそれなりにかかるはずです。本当のコスト(実質コスト)は、最初の決算後に出る運用報告書を見るまでわかりません。「完全無料」と思い込まず、1年目の運用報告書で確認するのがおすすめです。
注意点2:一般のオルカンとの差は「18年で約2万円」程度

では信託報酬ゼロで、どのくらい得をするのでしょうか。Yahoo!ニュース エキスパートの横田健一氏の試算では、月1万円を18年間、年利5%で積み立てた場合、
- 信託報酬0%:約347万円
- 信託報酬 約0.058%(一般的な低コストのオルカン相当):約345万円
と、差は約2万円という結果でした。月5万円(年60万円の枠いっぱい)なら差はおよそ5倍の約10万円になりますし、ゼロに越したことはありません。
ただ、低コストのオルカン系ファンドはもともと信託報酬が0.05%台まで下がっているので、「ゼロカンがあるから金融機関を決める」ほどの差ではない、というのが冷静な見方です。全世界株式ファンド同士のコスト比較は下記記事でもまとめています。

注意点3:買えるのはこどもNISA・積立のみ、2027年1月から
ゼロカンは2026年11月17日に設定されますが、こどもNISAの制度開始前には購入できません。また積立購入はこどもNISAに限られるため、親が自分のNISAや特定口座でゼロカンを積み立てることはできません。
- 親のNISA:ゼロカンは使えない。同じ中身なら一般向けのSBI・オールカントリー(0.055%)などを選ぶ
- 子どもの特定口座(未成年口座):こどもNISAの枠を超えた分をゼロカンで積み立てることはできない
- 取扱い金融機関:現時点で取扱いが発表されているのはSBI証券(他社での取扱いは未発表)
つまりゼロカンを使うには、子どものこどもNISA口座をSBI証券で開くことが前提になります。
注意点4:こどもNISAは金融機関の変更ができない見込み
ここがいちばん大事なポイントです。こどもNISAは、18歳まで原則として払い出しが制限される設計にあわせて、口座の廃止や金融機関の変更を認めない方向で制度設計が進んでいます。
成人のNISAなら「将来もっと良い証券会社が出てきたら乗り換える」ができますが、こどもNISAは最初に選んだ金融機関で、最長18年付き合う可能性が高いということです。
そう考えると、選ぶ基準は「信託報酬が0.05%安いか」より、次のような点のほうが重いはずです。
- 親が管理しやすいか:親自身がSBI証券を使っているなら、ログインや入金の手間が少ない
- ポイント・クレカ積立:家計でメインに使っているカードやポイントと相性が良いか
- アプリ・サポート:18年間ストレスなく使い続けられるか
ちなみに私は、夫婦の生活費は三井住友カード ゴールド(NL)、NISAのクレカ積立もSBI証券で続けています。もし将来子どもの口座を作るなら、同じSBI証券にまとめて管理を楽にする、という理由で選ぶと思います。ゼロカンはその「おまけ」くらいの位置づけです。
こどもNISAの口座開設手順と、各社の事前受付の情報は下記記事にまとめています。

注意点5:18歳以降は「保有はゼロのまま、新規積立は0.055%」

こどもNISAの資産は、子どもが18歳になると自動的に成人向けのNISA(つみたて投資枠)に引き継がれます。SBI証券の発表では、
- 保有中のゼロカン:通常のNISAに引き継がれ、信託報酬0.00%のまま継続保有できる
- 18歳以降の新規積立:ゼロカンには積み立てできず、同じ中身のSBI・オールカントリー(0.055%)などで行う
となっています。成人後も同じ全世界株式に積み立て続けたい場合は、別途、積立設定をやり直す必要があります。18歳の誕生日前後に積立が止まったままにならないよう、移行のタイミングで親子で設定を確認しておきましょう。
また、ゼロカンは新設ファンドなので、運用実績(指数との連動の精度)や純資産の伸びは未知数です。人気になる見込みは高いものの、最初の1〜2年は運用報告書で実質コストと指数との乖離をチェックするのが安心です。
こどもNISA全体の注意点もセットで確認
ゼロカン固有の話だけでなく、こどもNISAそのものにも気をつけたい点があります。
- 払い出しは12歳から・条件付き:子ども本人のための資金であることや、本人の同意を示す書類の提出が必要になる見込み
- 贈与の扱い:親が子どもに資金を渡して運用する形なので、年110万円の基礎控除を超える贈与や、親が自由に使う「名義預金」と見なされる運用には注意
- 元本保証はない:全世界株式でも下落する時期はある。教育費として使う時期が近づいたら、一部を現金化するなど出口も考えておく
2027年からのNISA改正全体は、下記記事でまとめています。

ゼロカンが向いている家庭・そうでない家庭
向いている家庭
- 親がすでにSBI証券をメインで使っていて、子どもの口座も同じところで管理したい
- こどもNISAでは全世界株式1本でシンプルに積み立てたい
- 年60万円の枠を毎年しっかり使う予定で、少しでもコストを下げたい
無理に選ばなくていい家庭
- 親が楽天証券・マネックス証券など他社をメインで使っていて、ポイントやカード積立の相性がそちらの方が良い
- 全世界株式ではなく、S&P500など別の投資先にしたい
- 18年使うアプリの使いやすさを最優先したい
他社をメインで使っている家庭なら、その証券会社の低コストなオルカン系ファンドでも、18年で数万円程度の差に収まります。「乗り換えできない口座を、コスト差だけで選ばない」ことが大切です。
まとめ
- ゼロカンはこどもNISA専用・信託報酬0.00%の全世界株式ファンド(2026年11月17日設定、購入は2027年1月から)
- 信託報酬以外の費用(監査報酬・売買委託手数料・保管費用)は別途かかる。実質コストは運用報告書で確認
- 一般の低コストオルカンとの差は、月1万円×18年で約2万円程度
- こどもNISAは金融機関の変更ができない見込み。コストより「親が18年管理しやすいか」で選ぶ
- 18歳以降は保有分はゼロのまま、新規積立は0.055%のSBI・オールカントリー等で再設定が必要
「信託報酬ゼロ」はうれしいニュースですが、こどもNISAは一度選ぶと長い付き合いになる口座です。家計の管理のしやすさと合わせて、落ち着いて選んでみてください。
※本記事は2026年10月2日時点の公式発表・報道をもとにしています。こどもNISAの制度詳細は今後変更される可能性があります。最新情報は金融庁・各金融機関の公式サイトでご確認ください。投資は自己責任でお願いします。

