こんにちは。風読珈琲店のカエデです。
ムーミンの生みの親、フィンランドの作家トーベ・ヤンソンの創作人生をまるごとたどる「トーベとムーミン展~とっておきのものを探しに~」が、2026年10月10日(土)〜12月13日(日)に神戸市立博物館で開催されます。初期の油彩画から戦時中の風刺画、ムーミン小説やコミックスの原画、スケッチ、愛用品まで、約300点が並ぶ大規模な展覧会です。
ムーミンといえば「かわいいキャラクター」のイメージが強いかもしれませんが、生みの親のトーベは画家であり、風刺画家であり、作家でもあった多才な人でした。この記事では、会期・料金などの基本情報から、展示の見どころ、トーベ・ヤンソンという人物の予習ポイント、神戸の街で同時開催される連動企画まで、公式発表をもとにまとめました。高校生以下は無料なので、学生さんにもおすすめです。
「トーベとムーミン展」の開催概要

まずは基本情報です。会期・開館時間・料金はいずれも神戸市立博物館の公式ページの発表に基づいています。
- 展覧会名:特別展「トーベとムーミン展~とっておきのものを探しに~」
- 会期:2026年10月10日(土)〜12月13日(日)
- 会場:神戸市立博物館(神戸市中央区京町24、旧居留地)
- 開館時間:9:30〜17:30(金曜・土曜は20:00まで)。展示室への入場は閉館30分前まで
- 休館日:月曜日(10月12日・11月23日の祝日は開館)、10月13日(火)、11月24日(火)
- 主催:神戸市立博物館、朝日新聞社、関西テレビ放送
- 企画協力:ヘルシンキ市立美術館(HAM)/後援:フィンランド大使館
金曜・土曜は夜8時まで開いているので、仕事帰りにも立ち寄りやすいのがうれしいところ。三宮・元町駅から歩いて10分ほどの旧居留地にあり、アクセスも抜群です。
展覧会全体の情報は、公式サイトにまとまっています。

観覧料とお得なチケット
- 当日券:一般2,200円/大学生1,100円/高校生以下無料
- 前売券:一般2,000円/大学生1,000円(販売は10月9日(金)23:59まで)
- 前売ペア券:一般2枚で3,800円(1人あたり1,900円)
- セット券:神戸ポートタワー近くのアクアリウム「átoa(アトア)」の入場券とのセット券も用意
前売券は当日券より200円お得、ペア券なら1人あたり300円お得になります。前売券の販売は開幕前日の10月9日までなので、行く日が決まっている方は今のうちに押さえておくのがおすすめです。大学生は1,100円、高校生以下は無料と、学生にはかなりやさしい料金設定ですね。
音声ガイドのナビゲーターは俳優の杏さん。トーベの言葉や作品の背景を聞きながら回ると、原画の見え方がぐっと深まりそうです。毎週土曜17:00からは、学芸員による展示解説会(地階講堂)も開かれます。

見どころ①:画家・風刺画家としてのトーベ・ヤンソン

本展の大きな特徴は、ムーミンだけでなく「トーベ・ヤンソンという一人の芸術家」の歩みを丁寧にたどる構成になっていることです。展示は初期の油彩画からスタートし、戦争の時代の風刺画、そしてムーミンの誕生へと続いていきます。
トーベ・ヤンソンってどんな人?
- 生まれ:1914年、フィンランドの首都ヘルシンキ。スウェーデン語を母語とする家庭に生まれる
- 家族:父は彫刻家、母は挿絵画家という芸術一家。幼いころから絵を描くのが日常だった
- 画家として:ストックホルムやヘルシンキ、パリで美術を学び、油彩画家として活動
- 風刺画家として:1930〜40年代、風刺雑誌『ガルム』で表紙や挿絵を担当。ヒトラーやスターリンを皮肉った作品も描いた
- 作家として:1945年に最初のムーミン小説を発表。のちに大人向けの小説も多く手がけた(2001年没)
トーベは、戦争の時代に「ここではないどこか、平和で温かい世界」を求めてムーミンの物語を書き始めたと言われています。風刺画の鋭いペンと、ムーミン谷のやさしい世界。一見正反対の作品が、同じ人の手から生まれたことを展示室で実感できるのは、この展覧会ならではの体験です。
さらに今回は、これまで日本であまり知られていなかったトーベの壁画制作にもスポットが当てられます。ヘルシンキ市立美術館の協力で実現した内容で、「ムーミン作家」以前の、画家トーベの姿に触れられる貴重な機会です。
見どころ②:ムーミン小説・コミックスの原画が250点以上

もちろん主役はムーミンたち。会場にはムーミンキャラクターが登場する作品が250点以上並ぶ予定で、小説の挿絵やコミックスの原画、構想段階のスケッチなどを間近で見ることができます。
- 小説の挿絵原画:1945年に始まったムーミン小説シリーズのペン画。細い線の重なりで描かれた森や海の表情に注目
- コミックスの原画:1950年代にイギリスの新聞で連載され、世界中にムーミンを広めたコミックス。コマ割りやセリフの入れ方にもトーベらしいユーモアが
- スケッチ:「遊び」をテーマにしたものなど、完成作の裏側にある試行錯誤が見えるスケッチ類
- 愛用品:トーベが実際に使っていた品々から、創作の日常をうかがう
アニメで知っているムーミンと、トーベ自身が描いた原画のムーミンは、少し印象が違います。原画のムーミンはもっとすらっとしていて、表情も繊細。ペン一本で描かれた線の強弱や、白と黒だけで表現された夜の暗さや嵐の気配は、印刷物ではなかなか伝わらない部分です。
僕自身、子どものころにアニメで見ていた程度で、小説はちゃんと読んだことがありませんでした。でも予習のつもりで読み始めると、ムーミン谷の住人たちは意外なほど孤独や不安を抱えていて、大人になった今のほうがしみるんですよね。原作を1冊読んでから行くと、原画の見え方がまったく変わると思います。
予習におすすめ:ムーミン小説シリーズ早わかり
原画をより楽しむために、ムーミン小説シリーズの流れをざっくり押さえておきましょう。トーベは1945年から1970年までの25年間で、9冊のムーミン小説(長編・短編集)と絵本を発表しました。代表的な作品を並べてみると、物語の雰囲気が少しずつ変わっていくのがわかります。
- 『小さなトロールと大きな洪水』(1945年):シリーズ最初の作品。ムーミントロールとママが、行方不明のパパを探して旅をする短いお話
- 『ムーミン谷の彗星』(1946年):地球に彗星が近づき、ムーミン谷が危機に。戦争の不安が色濃く反映されているとも言われる一冊
- 『たのしいムーミン一家』(1948年):魔法の帽子をめぐる騒動。アニメのイメージに一番近い、明るく楽しい物語
- 『ムーミン谷の冬』(1957年):冬眠から一人だけ目覚めてしまったムーミントロールが、初めての冬を知る話。孤独と成長がテーマ
- 『ムーミン谷の十一月』(1970年):シリーズ最終作。ムーミン一家が不在の谷に、人々が集まってくる不思議な物語
初期の作品は冒険とユーモアにあふれていますが、後期になるほど静かで内省的な雰囲気になっていきます。シリーズの変化は、そのままトーベ自身の人生の変化とも重なっていると言われていて、展覧会で原画を年代順に見ていくと、絵のタッチの変化からもそれが感じられるはずです。
どれから読むか迷ったら、個人的には『ムーミン谷の冬』を推します。にぎやかなムーミン一家が眠っている間の、しんとした冬の谷。神戸の展覧会は秋から冬にかけての開催なので、季節的にもぴったりです。読み終えてから原画の前に立つと、「あの場面だ」とうれしくなりますよ。
見どころ③:神戸の街がムーミン一色に
展覧会の会期にあわせて、2026年10月10日(土)〜11月30日(月)には連動企画「ムーミン×神戸ポートタワー a part of KOBE」も開催されます。リニューアルした神戸ポートタワーを中心に、神戸港エリアがムーミンでいっぱいになる企画です。
博物館のある旧居留地から神戸ポートタワーのあるメリケンパークまでは、歩いて15分ほど。午前中に展覧会を見て、南京町でお昼を食べて、午後は港エリアを散策する……という1日コースが組めます。セット券がある「átoa」もポートタワーのすぐそばなので、家族連れにもぴったりです。

鑑賞をもっと楽しむためのヒント
- 金曜・土曜の夜を狙う:ムーミン展は家族連れで混み合うことが予想されます。20時まで開いている金・土の夕方以降は、比較的落ち着いて見られそうです
- 原作を1冊予習する:まずは短編集『ムーミン谷の仲間たち』や、冬の物語『ムーミン谷の冬』あたりが読みやすくておすすめ
- 線の細かさを見る:ペン画の原画は小さなものが多いので、少し近づいて線の重なりを観察してみてください
- グッズ売り場は時間に余裕を:ムーミン関連の展覧会はグッズが充実していることが多く、ついつい長居してしまいがちです
同じ神戸市立博物館では、2027年2月から「大ゴッホ展 アルルの跳ね橋」も控えています。秋はムーミン、春はゴッホと、旧居留地に通う楽しみが続きそうです。

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まとめ
- 会期:2026年10月10日(土)〜12月13日(日)、神戸市立博物館
- 内容:トーベ・ヤンソンの油彩画・風刺画・ムーミン原画・スケッチ・愛用品など約300点
- 料金:一般2,200円・大学生1,100円・高校生以下無料(前売は10月9日まで)
- 夜間開館:金曜・土曜は20:00まで
- 連動企画:10月10日〜11月30日「ムーミン×神戸ポートタワー」
ムーミンのかわいさの奥にある、トーベ・ヤンソンという芸術家の人生。秋の神戸で、とっておきの1枚を探しに出かけてみませんか。

