こんにちは。風読珈琲店のカエデです。
2026年10月24日〜28日に宮崎県で開催された「第62回全国社会人サッカー選手権大会」(通称:全社)。5日間で最大5連戦という過酷なトーナメントを制したのは、東京都豊島区を拠点とするエリース豊島FC。クラブ史上初の全国タイトルです。
この記事では、全社2026の大会概要、1回戦から決勝までの勝ち上がり、そしてJFL昇格につながる「地域CL」への出場権が誰の手に渡ったのかを、観戦ファン目線で整理します。全社そのものの仕組みを知りたい方は、先にこちらの解説記事もどうぞ。

全社2026の大会概要と最終結果

まずは大会の基本情報と最終順位です。大会情報は全国社会人サッカー連盟の公式サイトで公開されています。
- 大会名:第62回全国社会人サッカー選手権大会
- 会期:2026年10月24日(土)〜10月28日(水)
- 開催地:宮崎県(西都市・綾町・新富町)
- 出場チーム数:32チーム(全32試合、総得点115)
- 観客動員数:5,042人
最終順位
- 優勝:エリース豊島FC(初優勝)
- 準優勝:南葛SC
- 3位:FC BASARA HYOGO
- 4位:岳南Fモスペリオ
- 得点王:木下慎之輔(南葛SC)、毛利隼(FC BASARA HYOGO)
上位4チームのうち2チームが関東勢、残る2チームが関西・東海のリーグ王者という顔ぶれ。各地域リーグの強豪がしっかり勝ち残った大会になりました。
決勝・準決勝の結果を振り返る

決勝:エリース豊島FC 2-1 南葛SC
10月28日の決勝は、ともに関東リーグ1部に所属する東京勢どうしの対決になりました。エリース豊島FCが2-1で南葛SCを下し、頂点に立ちました。南葛SCは1回戦で三菱重工長崎SCに8-0、準々決勝で桐蔭横浜大学FCに6-0と圧倒的な攻撃力で勝ち上がってきただけに、その南葛を最後に止めたエリース豊島の粘り強さが光る決勝でした。
ちなみに長崎出身の私としては、1回戦で地元の三菱重工長崎SCが南葛に大敗したのは少し悔しいところ。それだけ南葛の勢いが凄まじかったということでもあります。

準決勝・3位決定戦
- 準決勝①:エリース豊島FC 1-0 岳南Fモスペリオ
- 準決勝②:南葛SC 3-2 FC BASARA HYOGO
- 3位決定戦:FC BASARA HYOGO 1-0 岳南Fモスペリオ
準決勝は2試合とも1点差の接戦。特に南葛SCとFC BASARA HYOGOの一戦は3-2の打ち合いで、関西王者のBASARAも最後まで食い下がりました。3位決定戦はBASARAが1-0で岳南を退け、得点王の毛利隼選手を擁する攻撃陣が意地を見せています。
1回戦〜準々決勝の勝ち上がり

全社は1日1試合のペースで5日間戦い抜くノックアウト方式。決勝まで進んだチームは5連戦になるため、選手層とコンディション管理が勝敗を大きく左右します。主な試合をラウンドごとに見ていきます。
優勝エリース豊島FCの勝ち上がり
- 1回戦:3-2 IKOMA FC 奈良
- 2回戦:1-1(PK 6-5)ヴェロスクロノス都農
- 準々決勝:2-0 アルテリーヴォ和歌山
- 準決勝:1-0 岳南Fモスペリオ
- 決勝:2-1 南葛SC
エリース豊島の最大の山場は2回戦でした。相手は地元・宮崎のヴェロスクロノス都農。ホームの声援を背にした相手とのPK戦を6-5で制したことが、そのまま初優勝への足がかりになりました。大差で勝つ試合はなくても、接戦をものにし続けた「負けない強さ」が印象的です。
準々決勝の4試合
- エリース豊島FC 2-0 アルテリーヴォ和歌山
- コバルトーレ女川 2-2(PK 8-9)岳南Fモスペリオ:PK戦は9人目までもつれる大熱戦
- 南葛SC 6-0 桐蔭横浜大学FC
- KMGホールディングスFC 1-3 FC BASARA HYOGO
序盤戦の注目ポイント
- PK戦の多さ:1回戦だけで4試合、大会全体で8試合がPK決着。実力が拮抗した大会だったことがわかります
- 大学勢の健闘:桐蔭横浜大学FCはブランデュー弘前FC、SONIO高松(PK)を破ってベスト8進出
- 関西勢:アルテリーヴォ和歌山がASC北海道、東邦チタニウムを連破してベスト8。おこしやす京都ACは1回戦でベルガロッソいわみに1-2で敗退
- 開催地・宮崎勢:ヴェロスクロノス都農・FC延岡AGATA・NEXUS都城FCがいずれも初戦を突破したものの、2回戦で姿を消しました
関西在住の観戦ファンとしては、和歌山・兵庫のクラブが上位に絡んでくれたのは嬉しいポイント。関西でアマチュアサッカーを観に行く方法はこちらでまとめています。

地域CL出場権はどう決まった?
全社が「ただのカップ戦」で終わらない理由が、JFL昇格をかけた全国地域サッカーチャンピオンズリーグ(地域CL)への出場権です。全社では、地域リーグ1部で優勝を逃したもののJFL入会を希望するチームに、上位成績に応じて地域CLへの道が開かれます。
- 全社枠で出場権獲得:エリース豊島FC、南葛SC
- リーグ優勝で既に出場権あり:FC BASARA HYOGO(関西リーグ1部優勝)、岳南Fモスペリオ(東海リーグ1部優勝)
- 補充枠:全社からの出場が3チームに満たなかったため、輪番によりブランデュー弘前FC(東北リーグ1部2位)が出場権を獲得
つまり全社のベスト4が4チームとも地域CLに進むことになりました。全社で勝ち上がった勢いをそのままJFL昇格につなげられるのか、決勝で戦ったエリース豊島と南葛が地域CLで再び顔を合わせる可能性もあり、要注目です。地域CLの仕組みはこちらで詳しく解説しています。

観戦ファンとして感じた全社2026の見どころ
結果を追っていて強く感じたのは、全社が「総合力」を試される大会だということです。リーグ戦のように1試合の取りこぼしを後で挽回することはできず、しかも連戦。主力を休ませる余裕がない中で、ターンオーバーや交代策をどう使うかが勝敗に直結します。
その点で、エリース豊島FCの戦いぶりは象徴的でした。5試合すべてが2点差以内で、派手な大勝こそないものの、PK戦も含めて接戦を一つずつ拾っていった。一方の南葛SCは大量得点で勝ち上がり、得点王も輩出。対照的なスタイルの2チームが決勝で激突し、最後は僅差で決着したという構図は、一発勝負のトーナメントならではの面白さだと思います。
また、大学勢の桐蔭横浜大学FCがベスト8まで勝ち進んだように、社会人チームと大学チームが同じ土俵で戦えるのも全社の魅力。Jリーグを目指すクラブ、企業チーム、大学チームと、さまざまな背景を持つチームが入り混じる大会だからこそ、来年以降も番狂わせを楽しみにしたくなります。
まとめ
- 全社2026(第62回・宮崎)はエリース豊島FCが決勝で南葛SCを2-1で破り初優勝
- 3位はFC BASARA HYOGO、4位は岳南Fモスペリオ。得点王は木下慎之輔(南葛)と毛利隼(BASARA)
- 全32試合中8試合がPK決着という接戦続きの大会
- ベスト4全チームが地域CLへ。補充枠でブランデュー弘前FCも出場
Jリーグとはまた違う、地域に根ざしたクラブが一発勝負で全国一を争う全社。ここで生まれたドラマは、次の地域CL、そしてJFLへと続いていきます。昇格争いの行方も、引き続き追いかけていきたいと思います。

