ミネベアミツミFCとは|企業買収でクラブ名が変わったクラブ

陸上競技場兼サッカー場のイメージ サッカー
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こんにちは。風読珈琲店のカエデです。ヴェルスパ大分、ジェイリースFC、ヴィアティン三重、VONDS市原、沖縄SV、Honda FC、ブリオベッカ浦安・市川と紹介してきたJFLクラブシリーズ、今回は宮崎県の「ミネベアミツミFC」を取り上げます。

ブリオベッカ浦安・市川とは|都並敏史監督とJFL3位の躍進
1989年設立の地域総合型クラブ、ブリオベッカ浦安・市川。元日本代表DF都並敏史監督のもと2025年シーズンJFL3位を記録した躍進と、一度昇格しては降格した過去、J3ライセンス基準を満たせないホームスタジアムという積年の課題を紹介します。

このクラブ名を初めて見たとき、真っ先に思い浮かんだのは「Honda FCと同じホンダ系の実業団かな?」ということでした。ところが調べてみると、もともとはホンダ系の自動車部品メーカーの実業団だったのが、企業買収によって別の大企業の傘下に移り、クラブ名まで変わっていたのです。

この記事では、ミネベアミツミFCがどんなクラブなのか、1964年の創部から、親会社が変わるという珍しい転機、そして2025年シーズンの戦いぶりまでを、JFLを追いかけ始めたばかりの一ファンの目線でまとめます。

これまで紹介してきたクラブは、地域と一緒に一からクラブを育ててきた物語や、元日本代表選手が経営に乗り出す物語が中心でした。ミネベアミツミFCの場合は、企業買収というビジネスの動きが、そのままクラブの看板を書き換えてしまった珍しいケースです。


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ミネベアミツミFCってどんなクラブ?

精密部品工場のイメージ
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ミネベアミツミFCは、宮崎県宮崎市を拠点とする実業団サッカークラブです。自動車・二輪車用のロック製品や住宅用キーレスシステムなどを手がける「株式会社ホンダロック」の社内サッカー部を前身としています。

  • 拠点:宮崎県宮崎市
  • 主なホームスタジアム:生目の杜運動公園陸上競技場
  • 前身:株式会社ホンダロックの実業団サッカー部
  • 現在の運営:ミネベアミツミグループの一員として活動

宮崎県からJFLに参戦しているクラブは、ミネベアミツミFCのほかにはほとんど例がなく、九州のサッカーファンにとっても貴重な存在です。地域リーグ時代から宮崎を拠点に活動を続けてきたことも、地元での知名度を支えている理由のひとつだと考えられます。これまで紹介してきたジェイリースFCや沖縄SVのように九州・沖縄エリアのクラブが増えている中、宮崎発のミネベアミツミFCも、地域の顔として応援されている存在だと言えそうです。

クラブ名だけを見ると、Honda FCと同じ本田技研工業グループのクラブに見えるかもしれません。しかし現在は、ホンダとはまったく異なる大手電子部品メーカー「ミネベアミツミ」の傘下に入っているという、少し複雑な背景を持つクラブです。

ミネベアミツミは、ベアリングやモーターなどの精密部品から、電子部品、さらには自動車用アクセス製品まで幅広く手がける、東証プライム上場の大手メーカーです。近年は積極的なM&Aで事業領域を広げており、ホンダロックの買収もその一環でした。もともと本田技研工業とは資本関係のなかったミネベアミツミが、自動車部品事業の強化を目的にホンダロックを買収したことで、結果的にサッカー部もその傘下に加わることになったのです。

もともとミネベアとミツミ電機という2つの精密機器メーカーが2017年に経営統合して誕生した会社がミネベアミツミです。「元祖・買収王」とも呼ばれるほど積極的なM&Aで知られており、統合と買収を繰り返しながら事業を拡大してきた企業の歴史そのものが、サッカー部の名前の変遷にも重なって見えてくるのが興味深いところです。


1964年、ホンダ系自動車部品メーカーの実業団として創部

クラブの歴史は1964年、ホンダロックの従業員親睦団体「黒潮会」のサークル活動としてスタートしました。1981年に宮崎県リーグへ、1986年に九州サッカーリーグへ昇格。1997年に九州サッカーリーグへ再昇格した際に「ホンダロックサッカー部」に改称し、2000年からは会社の公式クラブとして本格的に活動を始めています。

従業員の親睦サークルから始まり、半世紀以上かけて全国リーグの舞台まで駆け上がってきたクラブです。企業の福利厚生活動として始まったチームが、地域リーグを勝ち上がっていく歩みは、JFLの中でもオーソドックスな企業クラブの成長パターンと言えそうです。

「黒潮会」という名前は、宮崎県沖を流れる黒潮にちなんだものと思われ、地元・宮崎に根ざした親睦団体だったことがうかがえます。1981年の宮崎県リーグ昇格から数えると、全国リーグであるJFLにたどり着くまで、実に20年以上の年月がかかっている計算になります。


苦節を経て2004年にJFLへ

九州の温暖な気候でのサッカー練習のイメージ
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  • 2004年:九州サッカーリーグを16勝2敗という成績で制覇
  • 2005年:全国地域リーグ決勝大会を勝ち抜き、JFLへ初昇格
  • その後:地域リーグへの降格を経験
  • 2009年:JFLへ復帰

一度JFLに昇格しながら地域リーグへ降格し、そこから再びJFLへ戻ってきたという経緯は、これまで紹介してきたブリオベッカ浦安・市川とも重なる部分があります。JFLというカテゴリーに定着し続けることの難しさを物語るエピソードです。

2009年の復帰以降は、大きな降格もなく長期間JFLに在籍し続けています。優勝争いの常連というわけではありませんが、JFLというカテゴリーに腰を据えて定着し続けているという点では、決して目立たないながらも安定した強さを持つクラブだと言えそうです。地道にカテゴリーを維持し続けることも、派手な昇格劇と同じくらい価値のある積み重ねだと感じます。


2022年、ミネベアミツミによる買収でクラブ名が一新

クラブの歴史における最大の転機は、2022年に訪れました。精密部品・電子部品の大手メーカーであるミネベアミツミが、本田技研工業からホンダロックの株式を取得し、完全子会社化することで合意したのです。

  • 2022年8月4日:ミネベアミツミが本田技研工業とホンダロックの株式譲渡契約を締結
  • 2022年末:買収完了・完全子会社化
  • 買収の狙い:自動車の電子キーなどを手がけるアクセス製品事業の強化
  • 2023年1月27日:サッカー部の名称を「ホンダロックサッカー部」から「ミネベアミツミFC」へ変更

親会社そのものが買収され、クラブ名まで変わるという転機は、企業スポーツならではの出来事です。選手やスタッフにとっても、勝敗以上に大きな変化だったはずです。ミネベアミツミは東証プライム上場の大手メーカーで、この買収によってクラブの経営基盤はより大きな企業グループへと移りました。

60年近い歴史の中で積み上げてきたクラブ名を手放し、新しい名前で再スタートを切る。選手たちにとっては、長年慣れ親しんだユニフォームの胸文字が変わる瞬間でもありました。それでも、チームとしての活動やホームタウンである宮崎市とのつながりは、名称変更後も変わらず続いています。長年のファンにとっても、応援するクラブの名前が変わるというのは、簡単には受け止めきれない出来事だったかもしれません。


2025年シーズンは10位。JFLで生き残り続ける実力

企業買収・合併のイメージ
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2025年シーズン(第27回JFL)は、9勝7分14敗・勝ち点34の成績で、16クラブ中10位でシーズンを終えました。

  • 最終順位:10位
  • 成績:9勝7分14敗、勝ち点34
  • 上位争い:優勝はHonda FC、2位レイラック滋賀、3位ブリオベッカ浦安・市川

優勝したHonda FCとの対戦では、シーズン終盤の第29節で1-0の敗戦を喫しています。この試合の勝利でHonda FCが2年ぶり11回目の優勝を決めたことを踏まえると、ミネベアミツミFCは強豪クラブの節目の一戦の相手を務めたことになります。歴史に残る一戦の当事者になったという意味では、順位以上に記憶に残るシーズンだったかもしれません。

Honda FCとは|Jに上がらないJFL最強クラブの正体
本田技研工業が運営する実業団クラブHonda FC。選手のほとんどが正社員という異色の雇用形態を持ちながら、2025年にJFL通算11回目の優勝を果たし史上最多記録を更新。天皇杯でのJ1撃破劇や、あえてJリーグを目指さない理由を紹介します。

上位争いとは距離のあるシーズンでしたが、地域リーグへの降格と復帰を経験しながらもJFLに定着し続けているという実績は、決して簡単なことではありません。同じ「元ホンダ系」のクラブでありながら、Honda FCとは違う道を歩んできたクラブとして、今後の巻き返しにも注目したいところです。

9勝7分14敗という内訳を見ると、引き分けが7つあり、接戦を勝ち切れなかった試合が多かったこともうかがえます。中位から下位に沈んだシーズンではありましたが、JFL残留という最低限の結果は確保しており、クラブ名変更という大きな変化の中でも、チームとしての土台は崩れていないと言えそうです。次のシーズンに向けては、勝ち切れなかった接戦をどれだけものにできるかが、順位を押し上げるカギになりそうです。


JFLを観てみたい人へ

企業買収という珍しい転機を経験したミネベアミツミFC。「JFLの試合ってどこで観られるの?」という方には、こちらの記事で無料配信・中継の視聴方法をまとめています。JFLそのものの仕組みを詳しく知りたい方はこちらもどうぞ。

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ミネベアミツミFCの最新情報は、公式サイトで発信されています。

ミネベアミツミFC
ミネベアミツミサッカー部は企業チームでアマチュア日本一を目指しているチームです。

まとめ

  • ミネベアミツミFCは、1964年にホンダロックの従業員親睦団体として創部されたクラブ
  • 2004年に九州リーグを制覇し、2005年にJFL初昇格。地域リーグへの降格を経て2009年に復帰した
  • 2022年、ミネベアミツミによるホンダロックの買収に伴い、2023年にクラブ名を現在のものへ変更
  • 2025年シーズンは10位でフィニッシュ。優勝したHonda FCとの終盤戦にも登場した

クラブ名の変化ひとつにも、日本の製造業を取り巻く再編の波が映し出されている。ミネベアミツミFCを知ると、JFLのクラブが単なるスポーツチームではなく、企業の歴史とも密接に結びついた存在であることを、あらためて実感します。この記事で紹介してきたどのクラブとも違う「企業再編とともに歩むクラブ」という切り口は、JFLの奥深さをまた一つ教えてくれました。

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