こんにちは。風読珈琲店のカエデです。
2025年秋、神戸市立博物館で開かれた「大ゴッホ展 夜のカフェテラス」の続編がついに発表されました。第Ⅱ期となる「大ゴッホ展 アルルの跳ね橋」が、2027年2月6日(土)〜5月30日(日)に同じく神戸市立博物館で開催されます。目玉は、オランダ・クレラー=ミュラー美術館が所蔵する《アルルの跳ね橋(ラングロワ橋)》。日本での公開は約70年ぶりという、まさに「オランダの至宝」の来日です。
大学時代を神戸で過ごした僕にとって、旧居留地の神戸市立博物館は思い出の多い場所。この記事では、会期・料金・入場予約のルールから、作品の見どころ、第Ⅰ期との違いまで、公式発表をもとにまとめました。2月限定の割安チケットは2026年9月30日までの販売なので、気になる方は早めにチェックしてください。
「大ゴッホ展 アルルの跳ね橋」の開催概要

まずは基本情報です。会期・開館時間・料金はいずれも神戸市立博物館の公式ページの発表に基づいています。
- 展覧会名:大ゴッホ展 アルルの跳ね橋(大ゴッホ展 第Ⅱ期)
- 会期:2027年2月6日(土)〜5月30日(日)
- 会場:神戸市立博物館(神戸市中央区京町24、旧居留地)
- 開館時間:9:30〜17:30(金曜・土曜と、4月29日〜5月5日は20:00まで)。展示室への入場は閉館30分前まで
- 休館日:月曜日(祝日の場合は開館)、3月23日(火)、5月6日(木)
- 主催:神戸市立博物館、神戸新聞社、産経新聞社、関西テレビ放送、博報堂
金曜・土曜の夜間開館は、仕事帰りに寄れるのがうれしいポイント。三宮・元町から歩いて行ける立地なので、平日夜に「ゴッホを見てから南京町でごはん」という過ごし方もできそうです。
展覧会全体の情報は、大ゴッホ展の公式サイトにまとまっています。
チケット料金と入場予約のルール
今回は人気展ならではの入場予約制がとられています。料金と合わせて、予約が必要な日をしっかり押さえておきましょう。
観覧料(当日券・前売券・2月限定券)
- 当日券:一般2,800円/大学生1,400円/高校生以下無料
- 前売券:一般2,600円/大学生1,300円(販売:2026年10月1日10:00〜2027年2月5日23:59)
- 前売ペア券:一般2枚で5,000円(1人あたり2,500円)
- 2月限定券:一般2,300円。2027年2月6日〜2月28日のみ入場可、プレイガイド限定販売(販売:2026年8月1日〜9月30日23:59)
- その他:神戸市在住の65歳以上は一般料金の半額、障害者手帳をお持ちの方は無料(詳細は公式ページで確認を)
一番お得なのは、当日券より500円安い「2月限定券」。会期序盤の2月に行けるなら、これを選ばない理由はありません。ただし販売はもうすぐ終了です。2月に行けない人は、10月1日から始まる前売券(200円引き)か、カップル・友人同士ならペア券(1人あたり300円引き)がおすすめです。
そして学生さんにうれしいのが大学生1,400円・高校生以下無料という設定。これだけの名品を無料で見られる高校生は本当にうらやましいです。
入場予約は「時期」でルールが変わる
- 2月6日〜4月28日:土日祝のみ「入場予約優先制」(平日は予約なしでも入場可)
- 4月29日〜5月30日:全日「完全入場予約制」。予約がないと観覧できません
- 予約受付開始:2026年10月1日(木)10:00から
人気展は会期終盤ほど混み合うのが常。GW以降は予約必須なので、ゴールデンウィークに家族で行く計画の方は特に注意してください。個人的には、比較的ゆったり見られそうな2〜3月の平日か、金曜夜の遅めの時間帯を狙うつもりです。
チケットの購入・入場予約はオンラインチケットのページから行えます。
見どころ①:約70年ぶりに来日する《アルルの跳ね橋》

《アルルの跳ね橋(ラングロワ橋)》は、ゴッホが南仏アルルに移り住んで間もない1888年3月中旬に描いた油彩画(54×64cm)です。運河に架かる木製の跳ね橋、その上を渡る馬車、岸辺で洗濯をする女性たち。明るい水色の空と、澄んだ水面の青、土手の黄色が響き合う、とても晴れやかな一枚です。
この作品が特別なのは、ゴッホが日本の浮世絵に強く憧れ、南仏の光に「日本」を重ねていた時期の作品であること。はっきりした輪郭線と平面的な色面、明るい色づかいには、浮世絵から学んだ表現がうかがえます。パリ時代の暗い色調を抜け出し、ゴッホが「自分の色」を見つけ始めた瞬間を記録した作品とも言えます。
- 所蔵:クレラー=ミュラー美術館(オランダ)
- 制作:1888年3月中旬、アルル
- ポイント:浮世絵の影響を受けた明快な色と構図。ゴッホは同じ橋を複数枚描いており、本作はその代表作
ちなみに2026年夏には、あべのハルカス美術館でも「跳ね橋」をテーマにした展覧会がありました(こちらは別の所蔵先の作品を中心とした企画展です)。比べてみると、同じモチーフでもゴッホの関心がどこにあったのかが見えてきて面白いですよ。

見どころ②:アルルから晩年までをたどる構成

第Ⅱ期のテーマは「アルルから晩年までのファン・ゴッホの人生とともに歩む」こと。ゴーガンとの共同生活の破綻と「耳切り事件」、アルルを去ってサン=レミの療養院へ、そして最期の地オーヴェール=シュル=オワーズへ。わずか2年あまりの、ゴッホの画業でもっとも密度の濃い時期を紹介する内容です。
公式に発表されている主な出品作品は次のとおりです。
- 《アルルの跳ね橋(ラングロワ橋)》:1888年3月中旬。本展の顔
- 《ジョセフ・ルーランの肖像》:1889年2〜3月。アルルでゴッホを支えた郵便配達人の肖像
- 《夜のプロヴァンスの田舎道》:1890年5月(90.6×72cm)。糸杉と星、月が描かれたサン=レミ時代最後期の作品
- 《悲しむ老人(「永遠の門にて」)》:1890年5月。頭を抱える老人を描いた、胸に迫る一枚
- 《花咲くマロニエの木》:1890年5月。オーヴェール移住直後の作品
個人的に楽しみなのは《夜のプロヴァンスの田舎道》です。うねるような筆致の糸杉が画面中央を貫き、夜空には三日月と星。晩年のゴッホらしい激しさと、どこか穏やかな静けさが同居していて、画集で見るだけでもぐっと引き込まれます。明るい《跳ね橋》から、この作品までの約2年間でゴッホの絵がどう変わったのか。1つの展示室の中で画家の人生の変化を体感できるのが、この展覧会の一番の魅力だと思います。
ゴッホの生涯をざっくり予習しておきたい方は、以前書いた解説記事もどうぞ。

第Ⅰ期「夜のカフェテラス」展との関係と巡回予定
「大ゴッホ展」は、クレラー=ミュラー美術館のコレクションを複数年にわたって紹介する大型プロジェクトです。同館は約90点の油彩画と約180点の素描を持つ、世界屈指のゴッホ・コレクションで知られています。
- 第Ⅰ期「夜のカフェテラス」展:オランダ時代からパリ、アルル初期までを紹介。神戸市立博物館からスタートし、阪神・淡路大震災30年の節目の展覧会として開催
- 第Ⅱ期「アルルの跳ね橋」展:アルルから晩年までを紹介。今回も神戸が皮切り
第Ⅱ期は神戸のあと、次の会場へ巡回します。
- 神戸:神戸市立博物館 2027年2月6日〜5月30日
- 福島:福島県立美術館 2027年6月19日〜9月26日
- 東京:上野の森美術館 2027年10月9日〜2028年1月30日
つまり関西で見られるのは神戸会場だけ。第Ⅰ期を見逃した人も、第Ⅱ期単体で十分楽しめる内容になっています。最新情報は公式Xでも発信されているので、フォローしておくと予約開始などのお知らせを見逃しません。

同じ神戸市立博物館では、ゴッホ展の前の2026年秋に「トーベとムーミン展」も開催されます。

鑑賞をもっと楽しむためのヒント
- 平日の午前か金曜夜を狙う:土日祝は予約優先制で、4月29日以降は完全予約制。ゆっくり見たいなら2〜3月の平日が狙い目です
- 「日本」との関係を意識して見る:ゴッホはアルルを「日本のような場所」と考えていました。《跳ね橋》の明るい色や輪郭線に注目すると、浮世絵からの影響が見えてきます
- 筆づかいを近くで見る:晩年に向かうほど筆のタッチが大きく、うねるように変化します。作品の前で少し近づいたり離れたりして見比べるのがおすすめ
- 旧居留地の散策とセットで:博物館の周辺はレトロな近代建築が並ぶエリア。鑑賞後はカフェでひと息つきながら感想を語り合うのが、僕のいちばん好きな過ごし方です
学生時代、授業の合間に旧居留地をぶらぶら歩いては、よく神戸市立博物館の前を通りました。重厚な石造りの建物に、ゴッホの明るい南仏の色がどんなふうに映えるのか、今から楽しみです。遠方から来る方は、神戸観光と組み合わせて1泊するのも良さそうですね。
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まとめ
- 会期:2027年2月6日(土)〜5月30日(日)、神戸市立博物館
- 目玉:約70年ぶりの日本公開となる《アルルの跳ね橋(ラングロワ橋)》
- 内容:アルル、サン=レミ、オーヴェールと、ゴッホの晩年をたどる構成
- 料金:一般2,800円・大学生1,400円・高校生以下無料。2月限定券(2,300円)は9月30日まで販売
- 予約:10月1日10:00受付開始。4月29日以降は完全予約制
関西でゴッホの晩年の名作にまとめて出会えるのは、神戸会場だけ。早めにチケットと予約を押さえて、春の神戸で「アルルの光」を浴びに行きましょう。

