フィギュア2026-27の新ルール解説|オイラー除外とジャンプ7→6本

照明の入った屋内リンクで演技するフィギュアスケーター フィギュアスケート
Photo by Pavel Danilyuk on Pexels
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こんにちは。風読珈琲店のカエデです。

先日、フィギュアスケート観戦の始め方をまとめました。ところが妻から「今シーズンからルールが結構変わるよ」と言われ、調べてみると、たしかに2026-2027シーズンから採点・構成のルールがまとめて変わります。オイラー(ハーフループ)がジャンプに数えられなくなる、フリーのジャンプが1本減る、新しいスピンが加わる——など、観戦の見え方にも関わる内容です。

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この記事では、初心者向けに「変更前」と「変更後」を並べて、主な変更点を整理します。細かい基礎点や条件はISUの公式ルール(コミュニケーション文書)が正なので、数字を厳密に確認したいときはそちらを参照してください。日本語でシーズンごとの改正点を一覧できる早見表もあります。

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※本記事は2026年9月6日時点で確認できた情報です。ここではシニアのシングルを中心に扱います。ジュニアや細部の運用は今後の追加通達で調整される可能性があります。


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なぜ今シーズンから変わるのか

今回の変更は、2024年6月にラスベガスで開かれたISU(国際スケート連盟)総会で決まったものです。本来は次のシーズンから適用される予定でしたが、2025-2026がオリンピック(ミラノ・コルティナ)シーズンにあたるため、「五輪の直前にルールを大きく動かさない」という配慮で、実施が2026-2027シーズンに1年延期されました。

つまり、五輪が終わった今シーズンが、新ルールのスタートです。選手も採点する側も、今季は新ルールに慣れながらの1年になります。


変更点①:オイラーがジャンプ要素に数えられなくなる

客席のある屋内リンクでジャンプを練習する2人のスケーター
Photo by Pavel Danilyuk on Pexels

オイラー(かつては「ハーフループ」と呼ばれていた1回転ジャンプ)は、コンビネーションの“つなぎ”として使われる小さなジャンプです。ここが大きく変わります。

2025-2026シーズンまで2026-2027シーズンから
扱いリストジャンプの1つ。基礎点約0.5点がつくリスト外。跳んでも0点(無得点)
使い方「3連続ジャンプ」の真ん中などに入れて得点を稼げたフリーで1回だけ、2つのリストジャンプの間に入れられる。オイラーの後は足を換えられない
ショートコンビネーションに組み込めるショートのコンビネーションでは使えない

影響が分かりやすいのは、「3F+1Eu+3S」のようにオイラーを挟んだコンビネーションです。これまでは3本続けたジャンプコンビネーションとして扱われ、基礎点はおよそ 5.30+0.50+4.30=10.10 でした。今後はオイラーが表外・無得点になるため、記録上は「3F+3S」の2本のコンビネーション(約9.60)として数えられます。オイラー分の約0.5点がまるごと消える計算です。

ただし「3本続けて跳ぶジャンプ」自体がなくなるわけではありません。むしろアクセルを含む3連続の「ジャンプシークエンス」は今季から満額で認められ、組みやすくなります(変更点⑤で後述します)。オイラーで水増しするタイプの3連続だけが割に合わなくなる、と考えるのが正確です。

なお、オイラーが下手だったり、ステップアウト(足がついてしまう)になったりした場合は、前後のジャンプのGOE(出来ばえ点)でマイナス評価を受けます。「0点だから雑でいい」わけではありません。


変更点②:フリーのジャンプが7本から6本に

シングル(男女)のフリースケーティングで跳べるジャンプ要素が、7本から6本に減ります。必須はアクセル系ジャンプが1本だけで、残り5本は自由に組めます。

  • 1本減ることの意味:1つのミスが順位に与える影響が大きくなる。取りこぼしの少ない選手が有利になりやすい
  • 構成の見え方:プログラム全体のジャンプがやや少なくなり、そのぶんスピンやステップ、表現に割ける時間が増える
  • 初心者的にはむしろ見やすい:要素が1つ減るので「今のジャンプは何本目か」を追いやすくなる

変更点③:新しい「コレオスピン」がフリーに加わる

屋内リンクでキャメルスピンをするフィギュアスケーター
Photo by Pavel Danilyuk on Pexels

フリーのスピンの構成が変わります。これまで「レベルを取りにいくスピン」だった枠の1つが、新設のコレオスピン(ChSp)に置き換わります。

  • フリーのスピンはコンビネーションスピン/フライングスピン/コレオスピンの3種類に
  • コレオスピンは最低3回転。片足でも両足でもよく、足換えは何度でも自由
  • レベル判定がなく基礎点は固定、GOE(出来ばえ点)だけで評価される
  • 狙いは「創造性と表現の幅を広げること」。決まった型より、音楽に合った見せ方が問われる

すでにフリーの終盤にある「コレオシークエンス(ステップやターンで自由に魅せる要素)」と考え方は近く、そのスピン版が加わるイメージです。


変更点④:GOE・レベル・基礎点の見直し

技そのものの数え方だけでなく、点数のつけ方にも調整が入ります。細かい数値はISUのコミュニケーション文書(Communication 185・2769 など)が正ですが、方向性としては次のとおりです。

  • スピン・ステップ・コレオシークエンスの基礎点が引き上げ:ジャンプ偏重をやわらげ、滑りの上手さや表現が点数に反映されやすくなる方向
  • 高いGOE(+4・+5)の条件が緩和:これまで「3つの評価項目すべて」を満たす必要があったところが「3つ中2つ」で足りるとされる。加点が出やすくなる
  • 要素の繰り返し(+REP)の扱いも見直し:2度目に単独で跳ぶ同じ種類のジャンプの評価割合が調整される(正確な数値はISU公式のコミュニケーション文書で確認)
  • ステップの要件変更:難しいターンをきれいなエッジで行うこと、体の動き(腕・頭・上体など)を伴うことがより重視される

変更点⑤:コンビネーションとシークエンスの新しい数え方

ジャンプ本数の削減にあわせて、続けて跳ぶジャンプのルールも変わります。今回いちばん誤解されやすいところです。

  • ジャンプコンビネーションは最大2つ(従来3つ):片方は最大3本まで、もう片方は最大2本まで。コンビネーションは足を換えずに続けて跳ぶ形で、つなぎに使えるのはトウループ・ループ、または無得点のオイラー
  • ジャンプシークエンスは「3本」「満額」に:これまでシークエンスは2本まで・基礎点80%だったが、今季から最大3本、しかも減額なしの100%で数えられる。2本目か3本目にアクセルを入れるのが条件
  • だから「3Lz+3S+2A」のような3連続が増える:3本すべてが基礎点どおり(例:5.90+4.30+3.30=13.50)。ジャンプが6本に減ったぶん、1回で3本かせげるシークエンスは有力な選択肢になる
  • 1つの要素にオイラーとシークエンスは同居できない:「3Lz+1Eu+3S+2A」のような形は不可。オイラーを使うなら「3Lz+1Eu+3S」(記録上は2本コンビ扱い)まで
  • 同じ種類のジャンプは回転数を問わず合計3回まで(超えた分は無効)

まとめると、3本続けて跳ぶのは「1試合1回だけ許される3本コンビネーション」か「アクセルで締める3本シークエンス」の形。オイラーで水増しする3連続コンビネーションだけが割に合わなくなった、というのが今回の変更の核心です。


ペア・アイスダンスの主な変更

屋内リンクで演技する2人のフィギュアスケーター
Photo by Tima Miroshnichenko on Pexels
  • ペア:シングルと同じくコレオ系の要素(コレオリフト・コレオペアスピン)が新設。フリーのリフトは最大2つに。リフトのグループ判定が「肩の高さ」ではなく「女性が男性の頭上を通過するときの持ち手」で見分けるように
  • ペアのデススパイラル:難しい入り方と難しい出方が別々の加点対象になり、1つの要素で両方の評価を取れるようになった
  • アイスダンス:ツイズル(その場で回転しながら移動する要素)は最低2回転が必要、など要件の細かい見直し

2024-2025シーズンから先に入っていた変更

「最近ルールが変わった」と言われるとき、次の2つはすでに2024-2025シーズンから適用されています。混同しやすいので整理しておきます。

  • バックフリップの解禁:後方宙返り。長く「-2点の減点対象(実質禁止)」だったが、減点がなくなり公式に跳べるようになった
  • 5回転ジャンプの基礎点設定:まだ公式戦で成功例はほぼないが、基礎点表に5回転(基礎点14.00)が加わった

観戦するときに気にすべきこと

  • 3連続ジャンプは「シークエンス」の形が増える:「3Lz+3S+2A」のようにアクセルで締める3連続。逆にオイラーを挟んだ3連続コンビネーションは減る
  • スピンの見せ方が多様になる:コレオスピンは型が自由。「きれいに速く回る」だけでなく「音楽との合い方」を見ると面白い
  • 転倒やミスの重みが増す:ジャンプが1本減った分、1つのミスで順位が動きやすい
  • 解説の言葉を拾う:「これはコレオスピン」「アクセル入りのジャンプシークエンス」など、新用語をその場で映像と結びつけると早く慣れる

採点ルールの全体像(技術点と演技構成点の関係)は観戦ガイドにまとめています。あわせてどうぞ。

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よくある質問

Q. ルールが変わると、去年までのプログラムと点数は比べられなくなりますか?

単純な比較はしにくくなります。特にジャンプ本数やスピンの構成が変わるので、同じ選手でも合計点の水準がずれる可能性があります。今季は「新ルールでの基準づくりの年」と考えるのがよさそうです。

Q. オイラーはもう跳ばれなくなるの?

なくなりはしません。フリーで1回だけ、2つのジャンプの間に入れる使い方は残っています。ただ「得点にならない」ので、無理に組み込む選手は減ると見られています。

Q. 正確なルールはどこで読めますか?

ISU(国際スケート連盟)の公式サイトが発行する「Communication(コミュニケーション)」という文書に、要素の定義や基礎点、GOEの基準が載っています。日本語での解説は日本スケート連盟や各メディアの早見表が分かりやすいです。

Inside ISU – Welcome to International Skating Union – International Skating Union
公益財団法人 日本スケート連盟 – Japan Skating Federation
こちらのページは公益財団法人 日本スケート連盟のページです。

まとめ

  • 2026-2027シーズンからルールが刷新。決めたのは2024年のISU総会で、五輪シーズンを避けて1年延期された
  • オイラー(ハーフループ)はジャンプ要素から外れ跳んでも0点。オイラーを挟んだ3連続コンビネーションは割に合わなくなる一方、アクセル入りの3連続シークエンスは満額(100%)で認められ増える見込み
  • シングルのフリーのジャンプが7本→6本に減少(必須はアクセル1本)
  • フリーに新種の「コレオスピン」が加わり、型より表現を評価
  • スピン・ステップの基礎点アップ、高いGOEの条件緩和、繰り返し要素の減点強化などスコアの調整も
  • ペアはコレオリフト・コレオスピン新設、リフトは最大2つ。バックフリップ解禁・5回転は2024-25から

ルールを追いかけると、選手が何を狙って構成を組んでいるかが見えてきます。今季は解説と一緒に「新ルールだとこうなるのか」を確かめながら見ていくつもりです。

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