こんにちは。風読珈琲店のカエデです。
毎月の新書の新刊チェック、今月は講談社現代新書の番です。1964年創刊の老舗レーベルで、「教養の入口」として学生時代からお世話になってきた方も多いのではないでしょうか。
今回は、2026年10月22日(木)発売予定の講談社現代新書4冊を、講談社の公式情報をもとに紹介します。資源と国際政治、大人の語学学習、現代アート、そして演劇の起源――今月は「世界の見方」を広げてくれる4冊がそろいました。
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2026年10月の講談社現代新書 新刊ラインナップ一覧
まずは4冊の全体像から。発売日はいずれも2026年10月22日、価格は公式サイト記載の定価(税込)です。
- 世界資源争奪戦:国際秩序を動かす「見えない力」(郭四志 著/1,540円)
- 大人の外語学習:日常が冒険に変わる(山本冴里 著/1,100円)
- 東京藝大現代アート裏入門(卯城竜太 著/1,320円)
- 演劇の誕生(平田オリザ 著/1,210円)
テーマで分けると、「世界情勢と学び」の2冊と、「アートと表現」の2冊。以下、この2グループに沿って1冊ずつ見ていきます。
ちなみに、同じ10月には中公新書・岩波新書の新刊紹介も書いています。あわせて読むと、今月の新書棚の全体像がつかめると思います。


世界の見方と学び方を広げる2冊

『世界資源争奪戦』郭四志|資源で読み解く世界近現代史
「資源を制する国が世界を制す」――公式の紹介文は、そんな力強い一文から始まります。本書のキーワードは、「地質の不平等が国際政治の不平等を生む」という視点です。
イギリスを世界の中心に押し上げた石炭、アメリカを超大国にし中東を世界政治の焦点に変えた石油、そして脱炭素革命とAI革命のなかで覇権構造を再編しつつあるレアメタル。産業革命から二度の世界大戦、そして近年の中東情勢までを、ヘゲモニー(覇権)の変遷として「資源」の切り口で整理していく一冊とのこと。
著者の郭四志さんは国際経済・中国経済・エネルギー経済が専門で、ちくま新書の『産業革命史』『脱炭素産業革命』でも、技術と国際秩序の関係を論じてきた方です。投資をしている身としては、原油価格や資源国の動きがニュースで流れるたびに「なぜこうなるのか」の背景を知りたくなるので、まさに読みたかったテーマ。資源の乏しい日本の生存戦略にも踏み込むそうで、ニュースの解像度が一段上がりそうです。
- こんな人に:国際ニュースや地政学をもう一歩深く理解したい人、資源・エネルギー関連の投資に関心がある人
- 読みどころ:石炭→石油→レアメタルという「資源の主役交代」で近現代史を通して眺められる構成
『大人の外語学習』山本冴里|日常が「語学の冒険」に変わる
「英語学習に挫折した大人こそ、もっと自由に学んでいい!」――これが本書のメッセージ。未習言語の解読、聞き流し、実況中継……といった方法で、日常そのものを語学の冒険に変えていく一冊だと紹介されています。
著者の山本冴里さんは山口大学で日本語教育・複言語教育を専門にしている研究者で、KADOKAWAの『8週間語学の旅』では、大学の授業で学生たちがギリシャ語やスワヒリ語などさまざまな言語に挑む様子を描いていました。「ひとつの言語を完璧に」ではなく、いろいろな言語と軽やかに付き合う発想の人なので、本書もきっと肩の力が抜ける語学論になっているはずです。
私自身、英語は「仕事で必要な分だけ」で止まっていて、Jリーグの外国籍選手のインタビューやフィギュアスケートの海外中継を見るたびに、もう少し聞き取れたら楽しいのに……と思っていました。試験のためではなく「楽しむため」に語学をやり直したい社会人に、ちょうどいい入口になりそうです。
- こんな人に:英語学習に何度か挫折した人、新しい言語に興味はあるけど続く自信がない人
- 読みどころ:机に向かう勉強ではなく、日常の中で言葉と遊ぶ具体的な方法
アートと表現の「根っこ」に触れる2冊

『東京藝大現代アート裏入門』卯城竜太|Chim↑Pom元リーダーの人気講義
著者の卯城竜太さんは、アーティスト・コレクティブ「Chim↑Pom」(現Chim↑Pom from Smappa!Group)の元リーダー。本書は、卯城さんが東京藝術大学で行った人気講義を書籍化したもので、独学で「現代アートとは何か」を考え続けてきた著者が、アートの「裏」側を案内する入門書です。
公式サイトに掲載されている目次は、全8回の講義形式。
- 第1回 アートとは何であり、何でないか
- 第2回 アートの「力」はどこにあるのか
- 第3回 アートにとって「メディア」とは何か
- 第4回 アートは「誰のもの」か
- 第5回 アートにとって「倫理」とは何か
- 第6回 アートにとって「アイデンティティ」とは何か
- 第7回 アートにとって「前衛」とは何か
- 第8回 アートにとって「市場」とは何か
美術展めぐりが好きでこのブログでも展覧会の記事をよく書いていますが、正直、現代アートの展示は「どう受け止めればいいのか」と戸惑うことも少なくありません。倫理や市場まで正面から扱う構成を見ると、作品の前で立ち止まるときの「問いの立て方」をもらえそうで、今月いちばん楽しみな一冊です。
講談社の「現代ビジネス」でも本書の内容が紹介されています。

『演劇の誕生』平田オリザ|人はなぜ「演じる」のか
劇作家・演出家の平田オリザさんは、講談社現代新書でも『演劇入門』『わかりあえないことから』などのロングセラーを持つ、このレーベルではおなじみの書き手です。
本書のテーマは、人類が「演じる」という行為をいつ始め、それがなぜ「演劇」という制度になったのか。目次を見ると、序章「演じる人としての人間」から始まり、演劇誕生前夜、古代ギリシャ悲劇、エリザベス朝演劇(シェイクスピアの時代)、そして日本の能の誕生へと進み、再び世界演劇史を俯瞰する構成になっています。
東西の演劇を並べて「共通するもの」を探るアプローチは、歴史好きにも響きそうです。フィギュアスケートを見るようになってから、競技でありながら「演じる」表現でもある不思議さを感じていたので、人間にとっての「演じる」の起源を知るのは純粋に面白そう。演劇ファンでなくても、人間論として楽しめる一冊だと思います。
- こんな人に:演劇や舞台芸術が好きな人、能やギリシャ悲劇を教養として知りたい人
- 読みどころ:古代ギリシャ・イギリス・日本をまたぐ、スケールの大きな演劇史
カエデ的・今月の講談社現代新書の選び方

4冊とも方向性がはっきりしているので、目的別に選びやすい月です。
- ニュースの背景を理解したい:『世界資源争奪戦』
- 語学を楽しくやり直したい:『大人の外語学習』
- 美術館をもっと楽しみたい:『東京藝大現代アート裏入門』
- 人間と表現の歴史を知りたい:『演劇の誕生』
講談社現代新書をこれから読み始めるなら、定番の名著をまとめたこちらの記事もどうぞ。

前月・9月発売の講談社現代新書の新刊はこちらで紹介しています。

新刊情報は講談社現代新書の公式ページでも確認できます。

まとめ
- 2026年10月の講談社現代新書は10月22日発売の4冊
- 世界と学び:『世界資源争奪戦』『大人の外語学習』
- アートと表現:『東京藝大現代アート裏入門』『演劇の誕生』
- 価格は1,100〜1,540円(税込)
資源、言葉、アート、演劇と、どれも「世界をどう見るか」を少しずつ更新してくれそうな4冊です。発売日に本屋さんの新書棚で、気になる一冊を手に取ってみてください。それでは、また風読珈琲店でお会いしましょう。
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