こんにちは。風読珈琲店のカエデです。
大阪・中之島の国立国際美術館で、特別展「コトバの重なる場所」が、2026年12月1日(火)〜2027年3月14日(日)に開催されます。
テーマは、異なる言葉や文化をもつ人々が出会う「コンタクト・ゾーン」。植民地支配や戦争、分断を経験してきたアジアの地域を、国内外16組の作家による写真や映像作品を通して見つめる展覧会です。少し難しそうに聞こえますが、「自分が話している言葉はどこから来たのか」という身近な問いから入れる内容なので、基本情報と見どころをまとめました。

「コトバの重なる場所」展の基本情報

- 展覧会名:特別展「コトバの重なる場所」
- 会期:2026年12月1日(火)〜2027年3月14日(日)
- 会場:国立国際美術館 B3階展示室(大阪市北区中之島4-2-55)
- 開館時間:10:00〜17:00、金曜は20:00まで(入場は閉館の30分前まで)
- 休館日:月曜日(1月11日は開館)、1月12日、年末年始(12月28日〜1月4日)
- 観覧料:一般1,800円、大学生1,200円、高校生以下・18歳未満無料
- 夜間割引(金曜17:00〜20:00):一般1,600円、大学生1,100円
国立美術館は2026年10月から観覧料が改定されていて、本展も一般1,800円です。そのぶん金曜夜の夜間割引(一般1,600円・大学生1,100円)は使いやすいので、仕事帰りや授業のあとに寄るのがおすすめ。高校生以下・18歳未満は無料です。
観覧料の改定については、以前の記事で詳しくまとめています。

「コンタクト・ゾーン」ってどんな場所?
コンタクト・ゾーンとは、異なる言語や文化をもつ人々・集団が出会う場のこと。そこでは新しい発見や変化が生まれる一方で、衝突や支配、抑圧といった、力の差のある摩擦も起きてきました。
たとえば、ある土地で使われていた言葉が別の国の支配のもとで学校で禁じられたり、逆に混ざり合って新しい言葉が生まれたり。本展は、そうした「言葉が重なり合った場所」を手がかりに、アジアの歴史と記憶、そして私たちが今いる場所を考えるきっかけをつくることを目指しています。
- テーマ:言語や文化の接触から独自の歴史をたどったアジアの地域
- 表現の中心:写真と映像作品
- 特徴:国立国際美術館のコレクションを活用した特別展。会期中は大阪中之島美術館の所蔵作品も一部展示
コレクションを活かした特別展、という見方
国立国際美術館は、1977年に大阪・万博記念公園で開館し、2004年に中之島へ移転した現代美術中心の美術館です。国内外の戦後美術を中心に、写真や映像も含めた幅広いコレクションを持っています。
本展はそのコレクションを軸に組み立てられた特別展。海外から大型の名品を借りてくる展覧会とは違い、美術館がこれまで集めてきた作品を「言葉」という切り口で並べ直すことで、新しい見え方をつくる試みです。所蔵作品がこんなふうに読み替えられるのか、という発見も楽しみのひとつです。
見どころ① 国内外16組の作家が集まる

出品作家は次の16組です。写真家、映像作家、現代美術家と幅広く、世代や地域もさまざまです。
- 平敷兼七、下道基行、ツァオ・フェイ、前田藤四郎
- 村岡三郎、山城知佳子、上原沙也加、小泉明郎
- イリヤ・カバコフ、北島敬三、ナタリア・パパエヴァ、ムン・キョンウォン&チョン・ジュン
- 竹川宣彰、今津景、ホー・ルイアン、キャリー・ヤマオカ
沖縄を撮り続けた平敷兼七の《共通語を使いましょう 伊平屋》(1972年)や、上原沙也加の《「平和の島」より》のシリーズなど、沖縄と言葉の関係を考えさせる作品が並ぶのも印象的です。
見どころ② 写真と映像で見る「言葉の境目」

中国の現代美術家ツァオ・フェイの映像作品《マトリョーシカ・バース》(2022年)、各地の鳥居を撮った下道基行の『torii』シリーズ、小泉明郎の《忘却の地にて》(2015年)など、映像と写真が中心です。
映像作品は1本の上映時間が長いこともあるので、時間に余裕をもって行くのがおすすめ。気になった作品の前では、解説パネルを読んでから見直すと、最初とは違うものが見えてくると思います。
国立国際美術館へのアクセスと周辺

国立国際美術館は、京阪中之島線「渡辺橋」駅や地下鉄四つ橋線「肥後橋」駅から歩いて行ける距離です。展示室は地下にあり、竹をイメージした金属のオブジェが目印の建物です。
お隣は大阪中之島美術館。中之島美術館では「NHK日曜美術館50年展」が12月20日まで開かれているので、12月中なら2館のはしごもできます。

こんな人におすすめ・見るときのヒント
- 現代美術に苦手意識がある人:「言葉」という身近な入口があるので、作品の背景を想像しやすい
- 沖縄や台湾、東アジアの歴史に関心がある人:教科書とは違う角度から、土地と人の記憶に触れられる
- 写真・映像が好きな人:ドキュメンタリー的な写真から、物語性のある映像作品まで幅広く見られる
この展覧会は、作品ごとの解説を読みながら、ゆっくり時間をかけて見るタイプの展示です。映像作品を含めて2時間ほど見ておくと、途中で急がずにすみます。
見る前に「自分の家族は何語で話していたか」「地元の方言と共通語をどう使い分けてきたか」を少し思い出しておくのもおすすめです。わたしは長崎出身で、大学から関西に出てきてから言葉の違いに戸惑ったことがありました。そんな小さな経験も、作品と向き合う手がかりになるはずです。
会場を出たら、中之島の川沿いを歩いてみるのも◎。冬は日が短いので、金曜の夜間開館なら、ライトアップされた中之島の夜景とあわせて楽しめます。
出品作家をもう少し知りたい人へ
- 山城知佳子:沖縄出身。身体や声、沖縄の記憶をテーマにした映像作品で知られる
- 小泉明郎:人の記憶や歴史の語られ方に迫る映像・パフォーマンス作品を手がける
- 今津景:インドネシアを拠点に、デジタルで加工したイメージを油彩で描く画家
- イリヤ・カバコフ:旧ソ連出身。インスタレーションの先駆者として世界的に知られる
名前を知っている作家がいなくても大丈夫。気になった作家を帰りに検索してみると、展覧会の印象がもう一段深まります。
関西で開催中・開催予定の美術展は、まとめページで一覧にしています。

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まとめ
- 会期:2026年12月1日(火)〜2027年3月14日(日)、国立国際美術館 B3階展示室
- テーマ:言語や文化が交わる「コンタクト・ゾーン」から、アジアの歴史と記憶を見つめる
- 作家:ツァオ・フェイ、小泉明郎、山城知佳子、今津景ら国内外16組
- 料金:一般1,800円・大学生1,200円・高校生以下無料。金曜夜は夜間割引あり
ふだん何気なく使っている言葉にも、歴史が重なっている。そんなことに気づかせてくれる展覧会です。金曜の夜、仕事帰りにゆっくり見に行ってみてはいかがでしょうか。

