75歳以上の医療費に金融所得反映へ|2029年8月開始、20代の所感

病院の待合室のイメージ 資産形成
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こんにちは。風読珈琲店のカエデです。

2026年10月、「75歳以上の医療費負担に、2029年8月から金融所得を反映する」という厚生労働省の方針が報じられました。株の配当や売却益がある高齢者は、後期高齢者医療の保険料や病院の窓口負担割合が上がる可能性がある、という話です。

私は20代で75歳はまだずっと先ですが、長崎の実家の親や、いずれ迎える自分たちの老後を考えると無関係ではありません。この記事では、ニュースの中身を整理したうえで、投資歴5年目の社会人として感じたことを率直に書いてみます。


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ニュースの要点:何が変わるのか

医療費の計算イメージ
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報道や解説記事をもとに、ポイントを整理します(2026年10月15日時点の情報です)。

  • 対象:後期高齢者医療制度に加入する75歳以上の方
  • 反映されるもの:上場株式等の配当・利子、株式や投資信託の譲渡益などの金融所得
  • 影響する範囲:毎年の保険料と、病院の窓口負担割合(1割・2割・3割)の判定
  • 開始時期:厚労省は2029年8月から始める方針(報道ベース。正式な施行日は今後政令で定められる)
  • 法的根拠:2026年5月29日に成立した改正健康保険法。施行は「公布後5年以内」とされていた
  • 対象外:NISA口座内の非課税の配当・譲渡益

なお、預貯金や株の「残高」そのものに負担がかかるわけではありません。あくまで、その年に得た配当や売却益といった「所得」が計算に入るという仕組みです。

これまでは何が問題だったのか

現在は、証券会社の「源泉徴収あり」の特定口座で得た配当や売却益は、確定申告をしなければ住民税の所得情報に載りません。市区町村がその所得を把握できないので、保険料や窓口負担の計算にも入りませんでした。

つまり、同じだけの収入があっても「年金や給与で得た人」は負担が増え、「株の配当で得て申告しなかった人」は負担が軽いままになる、という不公平がありました。今回は、金融機関が出す法定調書のデータを使い、確定申告の有無にかかわらず金融所得を把握する仕組みに変えるのが狙いです。本人が新しく何かを申請する必要は、基本的にない見込みです。

窓口負担の割合はどう決まる?

75歳以上の窓口負担は原則1割で、所得が一定以上あれば2割、現役並みの所得があれば3割になります。金融所得が所得に加わることで、これまで1割だった人が2割に上がるケースも出てきます。解説記事の試算には「保険料が年約5万円増え、窓口負担も1割から2割になる」という例もありました(あくまで個別のモデルケースです)。

所感①:「公平さ」の方向としては納得できる

株式の値動きのイメージ
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まず正直な感想として、制度の方向性には納得しています。

社会人3年目の私の給与明細を見ると、健康保険料と厚生年金保険料の天引きはなかなかの存在感です。しかも健康保険料の一部は「後期高齢者支援金」として、75歳以上の医療を支えるお金に回っています。現役世代は給与から毎月きっちり保険料を取られるのに、配当でまとまった収入がある高齢者が「申告しないから所得ゼロ扱い」というのは、現役世代から見るとやはり釈然としません。

「収入の種類ではなく、負担できる力に応じて払う」という考え方は、世代間の納得感を高めるうえで筋が通っていると思います。

また、現役世代にとっても「他人事」ではありません。後期高齢者医療の財源は、おおむね患者負担を除いて公費が約5割、現役世代の保険料からの支援金が約4割、高齢者自身の保険料が約1割という構成です。高齢者のうち負担能力のある人に応分の負担をしてもらえれば、そのぶん支援金の伸びが抑えられ、私たちの給与天引きの増加ペースが少しでも緩やかになることが期待できます。もちろん効果の大きさは制度設計しだいですが、「自分の手取りにもつながっている話」だと考えると、ニュースの見え方が変わってきます。

一方で気になる点もある

  • 「貯蓄から投資へ」との整合性:国はNISAなどで投資を勧めているのに、課税口座の運用益が負担増につながると、高齢者の投資意欲に水を差す面はあります
  • 一時的な売却益の扱い:介護費用や住み替えのために株をまとめて売った年だけ、所得が跳ね上がって負担割合が上がる、といったケースがどう扱われるかは気になります
  • 今後の拡大:75歳未満の国民健康保険や介護保険にも同じ考え方が広がるのか、議論の行方を見ておきたいところです

このあたりの細かい計算方法は、2026年10月時点ではまだ詰まっていません。続報が出たら追記していく予定です。

所感②:NISA対象外は「やっぱりNISA」の追い風

今回いちばん印象に残ったのは、NISA口座の配当・譲渡益は対象外という点です。

NISAのメリットは「運用益が非課税」と説明されることが多いですが、今回の話で、税金だけでなく社会保険料や医療費の負担にも影響しないという、もう一つのメリットがはっきりしました。私自身、つみたて投資はNISA枠を優先して使っていますが、老後に取り崩す段階まで見すえると、その判断はますます正解だったと感じます。

2027年からのNISA改正の内容は、下記記事も併せてご確認ください。

【2027年1月から】新NISAがさらに変わる!こどもNISA・対象商品拡充など3つの改正ポイントを解説
以前の税制改正まとめ記事でも軽く触れていた新NISAの拡充について、具体的な改正内容が固まってきたので、あらためて深掘りしたいと思います。2025年12月に決定した2026年度税制改正により、2027年1月から新NISAはさらに使いやすい制度になります。

20代が今からできること

  • NISA枠を優先して使う:課税口座より先にNISAの非課税枠を埋めることが、将来の税・社会保険料の両面で有利
  • 課税口座の位置づけを整理する:NISA枠を超える分を特定口座で運用する場合、「将来は所得として計算される」前提でプランを立てる
  • 制度は変わるものと割り切る:今回のように、ルールは数年単位で動きます。年に一度は自分の口座の使い分けを見直す

税や社会保険の負担が少しずつ増えていく流れについては、防衛特別所得税の記事でも触れています。下記記事も併せてご確認ください。

防衛特別所得税は「実質増税ゼロ」なのか?2027年開始のカラクリ
2027年1月開始の防衛特別所得税は所得税額に1%上乗せされる一方、復興特別所得税を1%下げて「負担は変わらない」とされます。しかし復興税の課税期間は10年延長、防衛特別所得税自体には終了時期の定めもありません。家計目線で制度のカラクリを検証します。

所感③:親世代とお金の話をするきっかけに

家計を話し合う夫婦のイメージ
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2029年8月というと、まだ3年近く先です。ただ、今60代後半〜70代前半の親世代にとっては、ちょうど75歳を迎える前後のタイミングになる人も多いはずです。

私の長崎の実家も、親がどんな口座でどれくらい運用しているのか、実はよく知りません。妻の長野の実家も同じです。このニュースは、「NISAは使ってる?」「特定口座の配当はどれくらい?」と、普段は聞きにくいお金の話を切り出すちょうどいいきっかけになりそうだと感じました。

もちろん、負担を逃れるために無理に資産を動かすのは本末転倒です。まずは「こういう制度変更があるらしいよ」と共有して、正式な発表が出たら市区町村や広域連合の案内を一緒に確認する、くらいがちょうどいい距離感だと思います。

まとめ

  • 厚労省は、75歳以上の保険料・窓口負担の判定に2029年8月から金融所得を反映する方針
  • 源泉徴収ありの特定口座で申告していない配当・譲渡益も、法定調書をもとに把握される
  • NISA口座の配当・譲渡益は対象外
  • 負担能力に応じた公平な負担という方向性は、現役世代として納得できる
  • 一時的な売却益の扱いなど、細かい設計は今後の発表待ち

20代の私にとっては「NISAを優先する理由がまた一つ増えた」ニュースであり、親世代とお金の話をするきっかけにもなりました。続報が出たら、この記事も更新していきます。

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