こんにちは。風読珈琲店のカエデです。
今回は、2026年9月17日(木)に発売された講談社現代新書4冊を、講談社の公式情報をもとに紹介します。アウシュヴィッツ、ジャイナ教、アラン・チューリング、日本書紀――歴史・宗教・思想と、今月は「人間とは何か」を深く考えさせる硬派な4冊です。すでに書店に並んでいるので、気になった本はすぐ手に取れます。
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2026年9月の講談社現代新書 新刊ラインナップ一覧
まずは4冊の全体像から。発売日はいずれも2026年9月17日、価格は公式サイト記載の定価(税込)です。
- アウシュヴィッツの歴史(シビレ・シュタインバッハー 著/柳原伸洋 監訳/小林百音 訳/1,210円)
- 日本書紀を読む(神野志隆光 著/1,320円)
- ジャイナ教(堀田和義 著/1,100円)
- チューリングの哲学:人工知能と人間機械論(高橋昌一郎 著/1,210円)
テーマで分けると、「歴史を読み直す」2冊と、「宗教と思想から人間を考える」2冊。以下、この2グループに沿って1冊ずつ見ていきます。
10月刊の4冊はこちらの記事で紹介しています。

歴史を「史料」から読み直す2冊

『アウシュヴィッツの歴史』シビレ・シュタインバッハー|前史から戦後までの入門書
著者のシビレ・シュタインバッハーは、ナチ犯罪の研究で知られるフリッツ・バウアー研究所の所長で、フランクフルト大学の教授。ドイツの第一人者による概説書の邦訳で、公式の紹介では「前史から戦後まで、第一人者が明かす入門書の決定版」とうたわれています。
なぜこの地に巨大収容所が造られたのか。110万人以上が犠牲になったホロコーストの実態とは。収容者の労働、ガス室の設計、収容所親衛隊員の裁判まで、ドイツ近現代史の核心に触れる内容です。目次を見ると、第1章が「アウシュヴィッツという街」から始まり、「モデル都市アウシュヴィッツ」「解放後の都市と収容所」「法廷で裁かれるアウシュヴィッツ」、そして最終章「アウシュヴィッツの嘘」へと続きます。
「収容所」としてだけでなく、ひとつの「街」としてのアウシュヴィッツを描き、戦後の裁判や否定論にまで踏み込む構成が印象的です。重いテーマですが、歴史を学ぶうえで避けて通れない一冊。世界史の授業で名前を知っているだけ、という方にこそ、新書という手に取りやすい形で読んでほしいと思います。
- こんな人に:ホロコーストの全体像を一冊で押さえたい人、ドイツ近現代史に関心がある人
- 読みどころ:「街」の歴史から戦後の裁判・歴史否定論までを通して描く視点
講談社の「現代ビジネス」でも本書の内容が紹介されています。

『日本書紀を読む』神野志隆光|漢文として読むスリリングな古代日本
著者の神野志隆光さんは、『古事記』『日本書紀』研究の第一人者で、講談社現代新書でも『古事記と日本書紀』『「日本」とは何か』などの著作がある方です。
公式の紹介文は短く、こう書かれています。「新しい皇統としての継体天皇、持統朝の文化国家への到達。漢文としての日本書紀を読み解けば、スリリングな古代日本が見えてくる!」
日本書紀というと「日本最古の正史」として教科書に出てくるものの、実際に中身を読んだことがある人は少ないはず(私もそうです)。継体天皇の即位や持統天皇の時代といったポイントに焦点をあてて、書紀が古代日本をどう描こうとしたのかを読み解いていく一冊になりそうです。パートナーが大学時代を奈良で過ごしたこともあって、飛鳥・藤原京の時代にあたる持統朝の話はとくに気になります。
- こんな人に:古代史が好きな人、日本書紀を「読む」入口がほしい人
- 読みどころ:「漢文としての書紀」という読み方から見えてくる古代日本の姿
宗教と思想から「人間」を考える2冊

『ジャイナ教』堀田和義|徹底した不殺生を貫く宗教の入門書
ジャイナ教と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。世界史で仏教と同時代にヴァルダマーナ(マハーヴィーラ)が開いた宗教として習った、という程度の方が多いと思います。
公式の紹介によると、ジャイナ教徒はインドの人口のごく一部にすぎないのに、所得税収の大きな割合を担うなど、社会の中で存在感を放つ人々なのだそう。本書は、不殺生(アヒンサー)の教えに基づく出家修行者の生活や、その背景にある思想・歴史・教義、そして現代の信徒の暮らしまでを、日本の研究者がわかりやすく解説する入門書です。
目次は、序章「ジャイナ教とは?」に始まり、教団と戒律・修行、誕生以前からヴァルダマーナの入滅まで、そこから現代までの歴史、教義、そして「現代のジャイナ教」へと進む構成。宗教としてだけでなく、なぜ商業の世界で成功している人が多いのかといった社会的な側面にも触れられそうで、経済の話が好きな人にも面白い一冊だと思います。
- こんな人に:インドの宗教や社会に興味がある人、仏教以外のインド思想を知りたい人
- 読みどころ:古代の教えと現代インドの信徒の暮らしがつながる構成
『チューリングの哲学』高橋昌一郎|AIの父が70年前に見ていたもの

ナチス・ドイツの暗号「エニグマ」の解読に携わり、コンピュータの誕生にも深く関わった数学者アラン・チューリング。41歳で謎の死を遂げた「人工知能の父」の生涯と思考をたどる一冊です。
著者の高橋昌一郎さんは、講談社現代新書の『理性の限界』『知性の限界』『感性の限界』の「限界シリーズ」や、『ゲーデルの哲学』でおなじみの論理学者。公式の紹介では、チューリングがAI時代の到来を70年以上前に予見していたことが描かれているとのこと。
目次も「異端の天才児」「運命の初恋」「量子力学と数学の危機」「チューリング・マシン」「天才たちの激論」「エニグマ解読とコンピュータ」「機械は考える!」、そして終章「チューリングの死の謎」と、伝記としても読み物としても楽しめそうな流れです。仕事で毎日のようにAIツールに触れている身として、「機械は考えるか」という問いの原点を知っておきたいと思いました。
- こんな人に:AIの歴史や原理に興味がある人、数学者・科学者の伝記が好きな人
- 読みどころ:生涯の物語と「機械は考えるか」という哲学的な問いが一体になった構成
カエデ的・9月の講談社現代新書の選び方
4冊とも骨太ですが、目的別に選ぶならこんなイメージです。
- 世界史の大事件を正面から学びたい:『アウシュヴィッツの歴史』
- 日本の古代史を深めたい:『日本書紀を読む』
- 知らない宗教・文化に触れたい:『ジャイナ教』
- AI時代の「考える」を考えたい:『チューリングの哲学』
同じ9月には中公新書の新刊も紹介しています。新書の棚をまとめてチェックしたい方はこちらもどうぞ。

講談社現代新書をこれから読み始めるなら、定番の名著をまとめたこちらの記事もおすすめです。

まとめ
- 2026年9月の講談社現代新書は9月17日発売の4冊
- 歴史:『アウシュヴィッツの歴史』『日本書紀を読む』
- 宗教と思想:『ジャイナ教』『チューリングの哲学』
- 価格は1,100〜1,320円(税込)
過去の出来事や遠い国の宗教、70年前の数学者の思考――どれも、いまの私たちの社会や暮らしを考え直すヒントをくれそうな4冊です。すでに発売中なので、本屋さんの新書棚で気になる一冊を手に取ってみてください。それでは、また風読珈琲店でお会いしましょう。
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