こんにちは。風読珈琲店のカエデです。新NISAでインデックス投資を続けていると、「次は不動産にも分散したほうがいいのかな」と気になるタイミングが来ます。そこで候補に挙がるのがリート(REIT/不動産投資信託)です。
ただ、証券会社のサイトを見ても「分配金利回りが高い」「少額で不動産オーナーになれる」といった魅力の話が中心で、20代の自分が今やるべきなのかという問いにはなかなか答えてくれません。
そこで今回は、リートを持っていない投資歴5年目の私が「20代でリートをやるなら、どう組み込むか」を本気で考えてみました。先に結論を書くと、20代はメインではなく、資産の1割以内の「サテライト」として持つのがちょうどいいというのが私の答えです。
そもそもリートとは?20代向けに30秒で整理

リートは、多くの投資家から集めたお金でオフィスビル・マンション・商業施設・物流倉庫・ホテルなどを買い、その賃料収入を投資家に分配する仕組みの金融商品です。日本の証券取引所に上場しているものを「J-REIT」と呼びます。
- 少額で始められる:投資信託なら100円から、数十棟の不動産にまとめて分散投資できる
- 分配金が多め:利益の90%超を分配するなどの条件を満たすと法人税が実質かからないため、利益の大半が投資家に回る
- 株のように値動きする:上場しているので、金利や景気の影響で価格は毎日上下する(不動産そのものより変動は大きい)
- 管理はプロ任せ:入居者探しや修繕の手間はなく、現物の大家さんとはまったく別物
ざっくり言えば「不動産の家賃収入を、株式と同じように売り買いできる形にしたもの」です。
2026年9月のリート市場はどんな状況?
実際に数字を見てみましょう。2026年9月24日時点で、東証REIT指数は1,739.64ポイント。J-REIT全体の予想分配金利回りは約5.28%、日本の10年国債利回りは約3.08%で、その差(イールドスプレッド)は約2.2ポイントです(出典:東証REIT指数・J-REITデータまとめサイト、基準日2026年9月24〜26日)。
数年前と比べると国債利回りが大きく上がっていて、「金利のある世界」に戻ったことがよくわかります。リートは借入金で物件を買っているので、金利上昇は借入コストの増加につながり、価格の逆風になりやすいという点は押さえておきたいところです。一方で、利回り5%台という水準は「価格が下がって割安になっている」とも読めます。
つまり今は、利回りの高さだけで飛びつく局面でも、怖がって避ける局面でもなく、自分のポートフォリオの中での役割を決めてから入るべき局面だと感じています。
20代がリートをメインにしなくていい3つの理由
理由1:20代の武器は「分配金」より「複利と時間」
リートの最大の魅力は分配金ですが、20代にとって分配金は必ずしもありがたくありません。課税口座なら受け取るたびに20.315%の税金が引かれますし、受け取ったお金を自分で再投資しなければ複利が途切れます。30〜40年運用できる20代は、分配せずに中で再投資してくれる全世界株式やS&P500のインデックスファンドのほうが効率がいいのです。
理由2:株式インデックスでも不動産は少し入っている
S&P500やオルカンのような株式インデックスにも、不動産セクターの銘柄(米国の大型リートなど)が数%程度組み込まれています。すでに株式インデックスを積み立てているなら、不動産がゼロというわけではありません。
理由3:日本の不動産だけに寄りすぎる
J-REITは当然ながら日本の不動産が対象です。日本で働き、給料も円でもらっている20代にとって、日本の不動産に多く投資することは「人的資本」と同じ方向にリスクを重ねることになります。国内リートを厚くしすぎると、分散のつもりが逆に集中になりかねないのです。
それでも20代がリートを持つ意味はある

とはいえ、リートを持つ意味がないわけではありません。私が「サテライトとしてならアリ」と考える理由はこちらです。
- 株式と値動きが完全には一致しない:賃料収入という別の収益源があり、株式だけのポートフォリオより値動きを少しなだらかにできる
- インフレに強い面がある:物価が上がると賃料や不動産価格も上がりやすく、現金だけで持つよりインフレに対抗しやすい
- 「お金が入ってくる」体験ができる:分配金が入金されると、投資が生活につながる実感が持てる。投資を続けるモチベーションとしては意外と大きい
- 身近で理解しやすい:よく行く商業施設やオフィスビルがリートの保有物件だったりして、何に投資しているかがイメージしやすい
特に最後の2つは、投資を始めたばかりの20代にとってメリットです。株価指数は抽象的でも、「梅田のあのビルの家賃の一部が自分にも入ってくる」と思うと、ニュースの見え方が変わってきます。
20代がリートをやるなら?具体的な3ステップ
ステップ1:先に新NISAの株式インデックスを固める
まずは、つみたて投資枠で全世界株式やS&P500などの積立を習慣にするのが先です。リートはその上に乗せる「おまけ」の位置づけ。生活防衛資金とコア部分の積立ができていない段階でリートから始めるのはおすすめしません。私自身のコア・サテライトの考え方は下記記事にまとめています。

ステップ2:成長投資枠で、低コストのインデックス型リートを選ぶ
個別のJ-REITを選ぶより、東証REIT指数に連動するインデックスファンドで丸ごと買うのが手軽です。たとえば「eMAXIS Slim 国内リートインデックス」は信託報酬が年0.187%(税込)と、国内リートのインデックスファンドでは最安水準です(2026年9月時点)。なお、リートのファンドはつみたて投資枠の対象外のものが多く、新NISAでは成長投資枠で買うことになります。
NISA口座なら分配金も非課税になるので、「分配金に税金がかかる」というリートの弱点を消せます。リートを持つなら、課税口座ではなくNISAの成長投資枠が第一候補です。
ステップ3:比率は資産全体の5〜10%、積立で入る
比率の目安は資産全体の5〜10%程度。たとえば毎月3万円積み立てている人なら、2,000〜3,000円をリートに回すイメージです。金利動向で値動きしやすいので、一括ではなく毎月の積立で時間を分散するのが安心です。海外の不動産にも分散したい人は、グローバルリート(先進国リート)のインデックスファンドを半分混ぜる選択肢もあります。
カエデの場合:今すぐは買わないけれど、候補リストには入れた

正直に書くと、私は現時点でリートを保有していません。今のポートフォリオは、新NISAのつみたて投資枠で積み立てているS&P500を中心に、インデックス6:個別株4という株式だけのシンプルな構成です。

そのうえで今回調べてみて、次のように決めました。
- 当面はコアの積立を優先:結婚して二人暮らしになり、生活防衛資金を厚めに持っておきたい時期なので、新たな商品を増やすより積立の継続を優先する
- 成長投資枠に余裕が出たら少額で試す:個別株の比率を少し下げ、その一部をリートのインデックスファンドに置き換える形を検討中
- 比率の上限は5%:日本在住・円給与の自分には国内不動産はすでに身近なので、入れても控えめにする
もし実際に買い始めたら、月次の運用報告でその経過も報告します。
国内リートとグローバルリート、20代ならどっち?
リートのインデックスファンドには、大きく分けて日本の不動産に投資する「国内リート」と、米国を中心に海外の不動産に投資する「グローバルリート(先進国リート)」があります。
- 国内リート:為替の影響を受けず、保有物件も身近でイメージしやすい。一方で日本の金利動向の影響をダイレクトに受ける
- グローバルリート:米国の物流施設・データセンター・医療施設など、日本にはない種類の不動産にも分散できる。円建てでは為替変動も加わる
先ほど書いたとおり、日本で働く20代は収入がすでに円と日本経済に結びついています。その意味では、分散の効果だけを考えるならグローバルリートのほうが理にかなっているとも言えます。ただ、「身近な物件から投資を理解したい」「為替に振り回されたくない」という人には国内リートが向いています。迷ったら半々にしておけば、どちらか一方に偏るリスクを抑えられます。
どちらを選ぶにしても、大事なのは信託報酬の低いインデックス型を選ぶことと、比率を決めて守ることです。商品選びより「何割持つか」のほうが、長い目で見れば結果に大きく効いてきます。
リート投資で20代が気をつけたい注意点
- 高利回りの個別銘柄に飛びつかない:利回りが極端に高い銘柄は、価格が下がっている=何らかの不安を抱えているケースもある
- 毎月分配型の投信は避ける:分配金の一部が元本の取り崩し(特別分配金)になっている商品もあり、コストも高めになりがち
- 金利ニュースに一喜一憂しない:日銀の利上げ報道などで短期的に下がることはよくある。少額の積立なら淡々と続けるのが基本
- 分配金には配当控除がない:課税口座で受け取ると、株式の配当と違って配当控除は使えない。この点でもNISA向き
まとめ
- リートは、不動産の賃料収入を少額から受け取れる金融商品。2026年9月時点でJ-REITの予想分配金利回りは約5.28%
- 20代は複利と時間を最大化したいので、分配型のリートをメインにする必要はない
- 持つなら新NISAの成長投資枠で、低コストのインデックスファンド(例:eMAXIS Slim 国内リートインデックス、信託報酬0.187%)を資産の5〜10%で積み立てるのがちょうどいい
- コアの株式インデックスと生活防衛資金を固めてから、サテライトとして足すのが順番
「高利回り」という言葉に惹かれると、ついリートを主役にしたくなりますが、20代にとっては名脇役くらいの位置づけがちょうどいいと思います。コアの積立を続けながら、身近な不動産から投資の世界を広げてみてください。

