こんにちは。風読珈琲店のカエデです。
2026年、私はパートナーと結婚して二人暮らしを始めました。新居への引っ越し、家具・家電の買い替え、敷金・礼金……と、結婚まわりは想像以上にお金が出ていきます。そんな新婚世帯の「住まいの初期費用」を自治体が補助してくれるのが結婚新生活支援事業です。
条件が合えば最大60万円。ただし住んでいる自治体が実施していなければ1円ももらえず、実際に、私が結婚を機に引っ越した大阪市も対象外でした。この記事では、国の枠組み・2026年度から加わった新しい要件・関西で実施している自治体の調べ方・申請の注意点を、結婚したばかりの当事者目線で整理します。
制度は毎年見直され、金額や要件も自治体ごとに違います。数字はあくまで2026年9月時点の目安として読み、申請前に必ず自分の自治体の公式ページで確認してください。
結婚新生活支援事業とは

正式には、こども家庭庁の「地域少子化対策重点推進交付金」を使って市区町村が行う事業です。国が費用の一部を負担し、手を挙げた自治体が新婚世帯に補助金を出します。
国が定める基本の枠組み
- 対象:新たに婚姻届を出した世帯で、夫婦ともに婚姻日時点の年齢が39歳以下
- 所得:夫婦の合計所得が500万円未満(前年分。貸与型奨学金の返還額を所得から差し引ける場合あり)
- 補助上限:夫婦ともに29歳以下なら最大60万円、どちらかが30〜39歳なら最大30万円
- 対象経費:新居の購入費・リフォーム費・家賃・敷金・礼金・仲介手数料・引越費用
「所得」は額面の年収ではなく、給与所得控除などを引いたあとの金額です。共働きで年収がそれなりにあっても、控除後で合算500万円未満に収まるケースは珍しくありません。年収ベースでおよそ540万〜590万円あたりが目安になります。
交付金そのものの説明はこども家庭庁のページが一次情報です。

自治体で条件が変わる理由
国が示すのは「上限」と「基本の枠組み」だけで、実際にいくら出すか・そもそも実施するかは市区町村が決めます。国からの交付率は自治体の取り組み状況で変わり、財政や少子化対策の優先度によって同じ39歳以下でも上限を30万円に設定する市もあれば、若い世帯の誘致に力を入れて手厚くする町もあります。「隣の市はもらえたのに」が普通に起きる制度です。
対象になるか、ざっくりセルフチェック
- 婚姻届を出したのは今年度内(自治体が定める期間内)か
- 夫婦とも、婚姻日時点で39歳以下か
- 前年の夫婦の合計所得(控除後)が500万円未満か
- 住んでいる自治体がこの事業を実施しているか
- 本人・配偶者に市税の滞納がないか
- 過去に同じ補助金を受けていないか
6つすべてに「はい」なら、申請できる可能性が高いです。1つでも不安があれば、自治体の事前相談で確認しましょう。
2026年度からの新要件:講座の受講・相談
2026年度(令和8年度)から、多くの自治体で夫婦そろって指定の講座受講またはライフプラン相談を受けることが要件に加わりました。結婚・出産・共育てについて学ぶ機会をセットにする狙いです。
- オンライン講座の視聴+簡単なレポート提出、という形式が多い
- 夫婦のどちらか一方だけでは不可のことがある
- 申請直前に慌てないよう、引っ越しが済んだら早めに受けておく
運用は自治体ごとに差があります。「講座は必須か」「どの講座が指定されているか」は、申請要領で必ず確認してください。旧年度に受けた講座は使えず、その年度の指定講座を受け直す必要がある点にも注意です。
我が家の場合、住んでいる大阪市が事業自体を実施していないため講座の対象にもなりませんでしたが、府や国が用意するライフプラン・家計の無料セミナーは、制度と関係なく受けておいて損はありませんでした。結婚直後は保険・住まい・将来の貯蓄を一度棚卸しする良い機会です。
補助の対象になる費用・ならない費用

対象になりやすい費用
- 住宅費:新居の家賃(数か月分)、敷金、礼金、共益費、仲介手数料
- 取得・リフォーム費:新居を購入した場合の取得費、持ち家のリフォーム費
- 引越費用:引越業者に支払った料金(自分で運んだレンタカー代は対象外のことが多い)
対象にならない費用
- 家具・家電・カーテンなどの生活用品
- 駐車場代、火災保険料、保証会社への保証料(自治体による)
- 勤務先から住宅手当・家賃補助が出ている分(その額は差し引かれる)
- 結婚式・新婚旅行の費用
つまり狙いどころは賃貸の初期費用と引越代。関西で新居の敷金・礼金・仲介手数料・前家賃を合わせると30万〜50万円になることも多く、上限まで補助されればほぼ丸ごとカバーできる計算です。
いくら戻る?関西の賃貸初期費用の例
家賃9万円の物件を、二人とも29歳以下・上限60万円の自治体で借りたケースのイメージです(あくまで一例)。
- 敷金:9万円/礼金:9万円/仲介手数料:9万9千円
- 前家賃・日割り家賃:約13万円/引越業者:約8万円(2人分・繁忙期外)
- 合計:約58万8千円 → 上限60万円の範囲内なのでほぼ全額が補助対象
もちろん、勤務先の家賃補助が出ている分は差し引かれますし、自治体が上限30万円なら戻りは半分です。それでも「引っ越し代がタダになる」くらいのインパクトはあります。
関西で実施している自治体の調べ方
この制度は「手を挙げた自治体だけ」が実施します。大阪市や豊中市のように、人口が多くても実施していない自治体があります。逆に、子育て世帯の誘致に力を入れる中規模の市や町が手厚いことも。調べ方は次の順です。
- ① 都道府県の交付金計画ページを見る:「大阪府 地域少子化対策重点推進交付金」などで検索すると、府内の実施自治体一覧にたどり着ける。兵庫県・京都府も同様
- ② 市区町村名+「結婚新生活支援」で検索:実施していれば子ども政策課などのページがヒットする
- ③ 見つからなければ役所に電話:「今年度、結婚新生活支援事業はやっていますか」と子育て・こども政策の担当課へ
なお、県ではなく市町村が主体の事業なので、県のサイトに載っていても申請先・要領は各市町村です。都市部より、子育て世帯の定住を促したい中規模の市や町のほうが手厚い傾向があります。
2026年度に関西で実施している自治体の例(内容は要確認):
- 大阪府枚方市:上限30万円。夫婦とも39歳以下、2021年の所得合算500万円未満。申請は2026年6月1日〜2027年2月28日、事前相談あり
- 大阪府泉佐野市:2026年6月1日〜2027年3月31日の期間で実施
- 大阪府太子町など、府内の町村部でも実施例あり
- 兵庫県:姫路市・加古川市など、県の一覧に複数の実施自治体
- 京都府:亀岡市・京丹後市など
大阪府の取り組みは府の少子化対策ページから確認できます。

申請でつまずかないための注意点

- 予算がなくなり次第終了:人気の自治体は年度途中で受付を止める。婚姻届を出したら早めに動く
- 申請期限は婚姻日から一定期間内:「婚姻後◯か月以内」「年度内」など。過ぎると対象外
- 領収書・契約書は原本を保管:賃貸借契約書、引越業者の領収書、住民票、所得課税証明書などが必要。捨てない
- 市税の滞納がないこと:本人・配偶者ともに要件。心当たりがあれば先に納付する
- 過去に受給していないこと:同一世帯で1回限り。再婚の場合は特に確認
- 事前相談を活用する:多くの自治体が申請前の相談を推奨。要件を満たすか、必要書類は何かを窓口で確認できる
新居の契約前に「この自治体は実施しているか」「対象経費は何か」を調べておくと、契約の組み方(礼金の有無など)も含めて有利に動けます。これから住む場所を選ぶ人は、実施しているかどうかを比較材料の1つにしてもいいくらいです。
もらえたお金は家計にどう位置づけるか
結婚新生活支援事業の補助金は、税務上は一時所得に当たりますが、年間50万円の特別控除内に収まるため基本的に非課税・申告不要です(他に大きな一時所得がある年だけ合算を確認)。
我が家は結婚を機に、生活費は共通口座、趣味・投資は各自の口座、と財布を分けました。補助金のような臨時収入は使い道を決めずにいると生活費に溶けてしまうので、共通口座に入れたうえで『新生活の予備費』としてよけておくのがおすすめです。二人暮らしの家計管理の考え方は下記にまとめています。

結婚を機にカードや口座を組み替えた記録はこちらです。

まとめ
- 結婚新生活支援事業は、新婚世帯の住まいの初期費用・引越費用を補助する国+自治体の制度。上限は29歳以下で60万円、39歳以下で30万円
- 対象は夫婦とも39歳以下・合計所得500万円未満。所得は控除後の金額で見るので年収ベースの目安は約540万〜590万円
- 2026年度から夫婦そろっての講座受講・相談が要件に加わった自治体が多い
- 実施は手を挙げた自治体のみ。大阪市・豊中市などは対象外。都道府県の交付金計画ページで実施自治体を確認する
- 予算上限で早期終了・申請期限あり・書類は原本保管。婚姻届を出したらすぐ動く
結婚は何かとお金がかかる時期だからこそ、使える制度は取りこぼしたくないもの。新居を決める前に、まず自治体の名前で検索してみてください。

