こんにちは。風読珈琲店のカエデです。セゾンカードから「ショッピングリボ手数料率変更に関するご案内」というメールが届いた方もいるのではないでしょうか。私のところにも届いたので、内容を整理しながら、リボ払いを使っている人・使っていない人それぞれが知っておきたいポイントをまとめます。
こういう案内メールは文章が長く、専門用語も多いため、正直なところ読み飛ばしてしまいがちです。でも「実質年率」「既存残高」といった言葉の意味を正しく理解しておかないと、知らないうちに支払う手数料が増えていた、という事態になりかねません。一つずつ整理していきます。
対象カードを持っていない方にとっても、クレジットカード業界全体で手数料率の見直しが進んでいる状況を知っておくことは無駄になりません。自分が使っているカードでも、いずれ似たような案内が届く可能性は十分にあります。
何が変わるのか

案内メールの内容を整理すると、ポイントは次のとおりです。
- 対象カード:セゾンゴールド・アメリカン・エキスプレス・カード(年会費優遇型)、セゾンローズゴールド・アメリカン・エキスプレス・カード
- 変更内容:ショッピングリボ払い(標準・長期・定額コース)の実質年率
- 変更前:2026年12月4日(金)お引落分まで=実質年率15.0%
- 変更後:2027年1月4日(月)お引落分より=実質年率18.0%
もっとも注意したいのは、すでにリボ払いの残高を持っている人も、その既存残高を含むすべての利用残高に新しい18.0%が適用されるという点です。新規の利用分だけが対象になるわけではありません。
なお、このメールはショッピングリボ払いを実際に利用しているかどうかにかかわらず、対象カードを持っている人全員に一律で送られています。「リボ払いを使っていないのにメールが来た」という人も、通知の内容自体は正しい案内なので心配しすぎる必要はありません。
そもそもリボ払いの「実質年率」とは
案内メールに出てくる「実質年率」とは、リボ払いの残高に対して1年間でかかる手数料の割合のことです。リボ払いには「標準コース」「長期コース」「定額コース」など複数のコースがありますが、いずれも毎月の支払額のうち一部が手数料(利息相当分)、残りが元金の返済に充てられる仕組みです。
ここで見落とされやすいのが、手数料は「その時点の残高」に対して日割りで計算されるという点です。毎月の返済額が一定の定額コースの場合、新たに買い物をしてリボ払いに追加すると、返済に回るはずだったお金の一部が手数料の支払いに吸収され、元金がなかなか減らない状態になりがちです。手数料率が15%から18%に上がるということは、この「元金が減りにくくなる」効果がこれまで以上に強まる、と捉えておくとよいと思います。
「毎月の支払いが一定額で家計管理がしやすい」というのがリボ払いのうたい文句ですが、裏を返せば「今どれくらいの手数料を払っているか」が見えにくい支払い方法でもあります。手数料率が変わるタイミングは、この見えにくさに一度向き合ういい機会だと思います。
なぜ今、リボ手数料率が上がっているのか

今回の改定は、セゾンカード単独の動きではありません。日本銀行が2024年3月にマイナス金利政策を解除し、その後も段階的な利上げを進めてきたことで、カード会社の資金調達コストが上昇しています。この流れを受けて、JCBも2026年10月からショッピングの分割払い・リボ払いなどの手数料率を実質年率18%に改定するとしており、各社でリボ払い・分割払いの手数料率を見直す動きが広がっています。
18.0%という数字は、消費者金融などの上限金利を定める利息制限法の水準とも関係があります。同法では、元本10万円以上100万円未満の借入について上限金利を年18%と定めており、多くのカード会社のリボ払い手数料率は、この上限に近い水準に設定される傾向があります。今回の改定は、従来やや低めに設定されていた対象カードの手数料率を、業界の標準的な水準に合わせる動きと見ることもできます。
- JCB:2026年10月から、ショッピングの分割払い・リボ払いなどの手数料率を実質年率18%に改定
- 三井住友VISAカード:2026年3月30日以前に入会・リボ払い利用枠を設定した場合は実質年率15.0%を維持するなど、カードや条件によって扱いが分かれるケースもある
- セゾンカード:今回の対象2カードは2027年1月4日引落分から実質年率18.0%に改定
各社の動きを並べてみると、これまで15%前後に据え置かれていたカードが、順次18%へと引き上げられていく流れの中に、今回のセゾンカードの改定も位置づけられそうです。日銀の利上げが今後も続くようなら、他のカード会社・他のカードでも同様の改定が続く可能性は十分にあると考えておいたほうがよさそうです。
15%→18%で、負担はどのくらい変わるのか
実質年率が3ポイント上がると聞くと小さな変化に感じるかもしれませんが、率で見ると15%から18%への引き上げは20%の負担増にあたります。簡単な試算をしてみます。
- リボ残高10万円をそのまま1年間放置した場合の年間手数料:15%なら約15,000円、18%なら約18,000円(差額3,000円)
- リボ残高50万円の場合:15%なら約75,000円、18%なら約90,000円(差額15,000円)
実際には毎月の返済で残高が減っていくため、単純にこの金額がそのままかかるわけではありませんが、残高が大きく・返済期間が長くなるほど、手数料率の差が総支払額に与える影響も大きくなります。
特に注意したいのが、毎月の返済額が一定の「定額コース」です。返済額が変わらないまま手数料率だけが上がると、毎月の返済額のうち手数料に充てられる割合が増え、元金の減るペースがこれまでよりゆっくりになります。返済額を据え置いたままだと、完済までの期間がじわじわと延び、トータルで支払う手数料の総額も増えていく、という点は意識しておきたいところです。
今リボ残高がある人がやるべきこと

- 会員サイトや利用明細で、現在のリボ払い残高と毎月の返済額(元金・手数料の内訳)を確認する
- 家計に余裕があれば、増額返済・一括返済でリボ残高そのものを減らす
- 支払いコース(定額コースの金額など)を見直し、返済ペースを早める
- 新たな買い物を安易にリボ払いに回さず、一括払いや分割払いと使い分ける
特に「リボ払い専用カード」や「あとからリボ」「支払い方法の自動リボ変更」といったキャンペーンは、便利さと引き換えに手数料負担が発生する仕組みです。ポイント還元やキャンペーン特典につられて安易に申し込むと、特典以上の手数料を支払うことになりかねません。過去の記事でも、こうしたリボ・キャッシング関連のキャンペーンの注意点をまとめているので、あわせてご確認ください。


リボ払いをやめて一括払いに戻すには
「気づいたらリボ払いの設定になっていた」という人も少なくありません。多くのカード会社では、会員サイトやコールセンターから、今後の利用分を一括払いに戻す設定変更ができます。ただし、これはあくまでこれから先の新規利用分を一括払いに戻す手続きであり、すでにリボ払いとして積み上がっている残高は、そのままではリボ払いのまま手数料がかかり続けます。残高そのものをなくすには、会員サイトから増額返済・一括返済の手続きを別途行う必要がある点に注意してください。
手元にまとまった資金がなく、一括返済が難しい場合は、毎月の返済額(定額コースの設定金額)を可能な範囲で引き上げることで、元金の減るペースを早めることができます。ボーナスが出る月だけ増額返済に回す、生活費に影響しない範囲で毎月数千円ずつ上乗せするなど、無理のない形で返済ペースを早める工夫も有効です。手数料率が上がったこのタイミングは、リボ払いとの付き合い方を見直す一つのきっかけにしてもよさそうです。
セゾンゴールド・アメックス/ローズゴールド・アメックスを検討している人へ
今回対象になっているセゾンゴールド・アメリカン・エキスプレス・カード(年会費優遇型)とセゾンローズゴールド・アメリカン・エキスプレス・カードは、いずれも人気の高いカードです。普段リボ払いを使わず一括払い中心で利用するのであれば、今回の改定による直接的な影響はありません。ただし、この2枚を含めたゴールドカードの比較検討をしている方は、こうした手数料率の改定も判断材料の一つとして押さえておくとよいでしょう。年会費や還元率だけでなく、万が一リボ払いを使うことになった場合の条件まで含めてカードを比較しておくと、あとから後悔しにくくなります。

まとめ
- セゾンゴールド・アメックス(年会費優遇型)とセゾンローズゴールド・アメックスの2枚で、ショッピングリボ払いの実質年率が2027年1月4日引落分から15.0%→18.0%に引き上げられる
- 既存のリボ残高を含むすべての利用残高に、変更後の新しい手数料率が適用される
- リボ払いを使っていない人にも一律で案内メールが届いているが、通知自体は正しいもの
- 背景には日銀の利上げによる資金調達コストの上昇があり、JCBなど他社でも同様の改定が進んでいる
- 今リボ残高がある人は、明細で内訳を確認し、増額返済や支払いコースの見直しを検討したい
「知らないうちに手数料率だけが上がっていた」という状態を避けるためにも、こうした案内メールは面倒でも一度目を通しておくことをおすすめします。カード会社からの案内メールは細かい文字が多くて読み飛ばしがちですが、手数料率や年会費など「お金に直結する変更」だけは、送られてきたタイミングで必ず目を通す習慣をつけておきたいところです。

