こんにちは。風読珈琲店のカエデです。
2026年10月13日(現地時間)、PowerShell 7.6.7 が公開されました。新機能を追加するリリースではなく、安定性の向上と保守が中心のアップデートです。
業務でMicrosoft 365やIntuneを触っていると、PowerShellは毎日のように開くツールです。今回の変更は地味ですが、設定ファイルが壊れていても起動が止まらなくなるなど、知っておくと助かる修正が入っています。リリースノートの中身を、業務で使っている社会人の目線で整理しました。
PowerShell 7.6.7の概要

まずは基本情報です。7.6系は2026年に正式リリースされたシリーズで、7.6.7はその保守アップデートにあたります。
- バージョン:v7.6.7
- 公開日:2026年10月13日(GitHubのリリース日)
- ビルド環境:.NET SDK 10.0.402
- 位置づけ:不具合修正・保守のためのリリース(大きな新機能はなし)
- 同時期のリリース:7.5.12、7.4.21 LTS も同じタイミングで公開
同じ日に、旧系統の7.5系と長期サポート版の7.4系にも更新が出ています。社内で古いバージョンを固定して使っている場合は、そちらの更新も確認しておくと安心です。
主な変更点①:設定ファイルが壊れていても起動できる
今回いちばん実用的な修正は、エンジン部分のこの変更です(#28084)。
PowerShellは、ユーザーごとの設定を powershell.config.json というファイルから読み込みます。これまでは、このファイルが読み込めなかったり、JSONの書き方が壊れていたりすると、エラーになって起動に影響することがありました。
7.6.7からは、読み込みエラーや不正なJSONがあっても無視して起動を続けるようになりました。手作業で設定ファイルを書き換えて括弧を1つ消してしまった、同期ツールの不具合で中身が欠けた、といった場面でも、PowerShell自体は立ち上がります。
ユーザー単位の設定ファイルの場所は、次のコマンドで確認できます。
Split-Path $PROFILE.CurrentUserCurrentHost
このフォルダにある powershell.config.json がユーザー単位の設定ファイルです。起動できても設定が反映されていない場合は、ファイルが壊れている可能性があるので一度中身を見直しましょう。
業務での嬉しさ
- トラブル時に原因を探れる:シェルが起動すれば、設定ファイルを開いて直す作業がそのPowerShell上でできる
- 自動化スクリプトが止まりにくい:タスクスケジューラなどから起動するスクリプトが、設定ファイルの破損だけで失敗しにくくなる
- 注意点:エラーが出なくなるぶん、壊れた設定は黙って読み飛ばされる。設定が効かないと感じたらファイルの中身を確認する
主な変更点②:コマンドレット・表示まわりの改善

一般的なコマンドレットと表示まわりでは、次の4つの変更が入りました。
表示を常にAutoSizeにできるように(#28096)
Get-Process などの結果を表で表示するとき、PowerShellは列幅を決めて出力します。列幅を中身に合わせて自動調整するには、これまで Format-Table -AutoSize を毎回付ける必要がありました。
Get-Process | Format-Table -AutoSize
7.6.7では、既定の表示をAutoSizeにする設定をユーザーが選べるようになりました。長い名前が「…」で切れて読めない、というストレスが減ります。既定の動作は変わっていないので、使いたい人だけがオンにする形です。
WPFのショートカットキー表記を翻訳しない(#28097)
画面のあるツール(WPF)で使われるショートカットキーの表記が、言語ごとに翻訳されないようになりました。日本語など英語以外の環境で、キー表記が正しく解釈されない問題を防ぐための修正です。
Show-Commandの安全性向上(#28088)
コマンドの入力欄をGUIで表示する Show-Command に、内部メソッドの追加と、制限付きセッションかどうかの確認が加わりました。使える機能を制限した環境で、意図しないモジュール読み込みが起きないようにするための変更です。
MSIX版をPATHに追加するときの処理(#28091)
Microsoft Storeなどから入れるMSIX版のPowerShellについて、環境変数PATHの先頭に追加するときの処理が専用のものになりました。Store版を使っていて、別のバージョンのPowerShellが起動してしまうような混乱を減らす修正です。
主な変更点③:ビルド・パッケージ・テスト

利用者から直接は見えにくい部分ですが、開発・配布まわりの更新も多く含まれています。
- .NET SDK 10.0.402へ更新:土台となる.NETの最新パッチでビルド
- Microsoft.PowerShell.Nativeの更新:OSとやり取りするネイティブ部品を最新版に(#28176、#28171)
- Azure Linux 4のRPMパッケージ:Azure Linux 4向けのネイティブパッケージを追加(#28154、#28039)
- Windows CIでPowerShell 5.1を使わない:テスト環境からWindows PowerShell 5.1への依存を外した(#28081)
- MSIX版のテスト修正:PATHのテスト修正、DSCプロファイルのテストを保留に(#28108、#28092)
- その他:翻訳データの自動取り込み、GitHub Actionsの依存関係の更新など
Azure Linuxを使っているサーバー管理者は、パッケージの入手方法が変わる可能性があるので一度リリースノートを確認しておきましょう。一般のWindowsユーザーには、ほぼ影響のない変更です。
アップデート方法と確認のしかた
まずは今使っているバージョンを確認します。
$PSVersionTable.PSVersion
7.6.7未満なら、入れたときの方法に合わせて更新します。
- winget:
winget upgrade --id Microsoft.PowerShell - Microsoft Store版:Storeのライブラリから更新(自動更新が有効なら待っていればOK)
- MSI版:GitHubのリリースページから最新のMSIをダウンロードして上書きインストール
- Microsoft Update:MSIのインストール時に「Microsoft Updateで更新する」を選んでいれば、Windows Updateと一緒に配信される
なお、Windowsに最初から入っているWindows PowerShell 5.1(青い画面のほう)は別物で、今回の更新の対象ではありません。黒い画面の「PowerShell 7」が対象です。
Windows・Microsoft 365まわりの最近の変更は、下記記事も併せてご確認ください。

業務IT目線で見た所感
正直なところ、今回は「急いで入れないと困る」タイプのアップデートではありません。セキュリティ修正が目立つ回でもないので、社内PCに一斉に配るなら、いつもの検証サイクルに乗せて展開すれば十分だと思います。
それでも、設定ファイル破損への耐性は、ヘルプデスク的にはありがたい変更です。「PowerShellが起動しない」と相談されたとき、原因が設定ファイル1つだったというケースが減るはずです。AutoSizeの既定化も、Intuneのデバイス一覧やEntra IDのユーザー情報をPowerShellで眺めることが多い人には、地味に効いてきます。
まとめ
- PowerShell 7.6.7は2026年10月13日公開の保守リリース。大きな新機能はない
- 設定ファイル(powershell.config.json)が壊れていても起動できるようになった
- 表示を既定でAutoSizeにする設定が選べるように
- Show-Commandの制限付きセッション確認、MSIX版のPATH処理などの改善
- .NET SDK 10.0.402でビルド、Azure Linux 4向けパッケージも追加
- 更新は winget・Store・MSIで。Windows PowerShell 5.1は対象外
毎日使うツールだからこそ、小さな改善の積み重ねがありがたいものです。手の空いたタイミングで更新しておきましょう。

