S&P500とオルカン、両方持つのは意味ない?重なりを図で解説

S&P500とオルカンを並べて比べるイメージ 投資の始め方・基礎
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こんにちは。風読珈琲店のカエデです。

「S&P500とオルカン、どっちか決められないから両方買っておこう」――新NISAを始めるときに、こう考える方は少なくありません。実は私も、旧つみたてNISAの時代に似たようなことをしていました。

ただ、ネットでは「S&P500とオルカンを両方持つのは意味ない」という声もよく見かけます。本当に意味がないのか、それとも意味のある持ち方があるのか。この記事では、2つのファンドの中身がどれくらい重なっているのかを図で確かめたうえで、両方持つべきかどうかの判断基準を整理します。

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この記事でわかること

  1. S&P500とオルカンの中身の重なり(図解)
  2. 両方持ったときの米国比率の計算方法
  3. それでも両方持つ意味があるケース
  4. 目標の米国比率から配分を逆算する方法

結論:目的がないなら1本で十分。両方持つなら「米国比率の調整」として

S&P500とオルカンの値動き
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先に結論です。

S&P500とオルカンを半分ずつ持つと、米国比率は約81%。「米国多めのオルカン」を持っているのとほぼ同じです

そのため、「迷ったから両方」「分散したいから両方」という理由なら、どちらか1本に絞っても結果はほとんど変わりません。管理がシンプルになるぶん、1本のほうがおすすめです。

ただし、「意味がない」とまで言い切るのは少し言い過ぎだと思っています。オルカンだけだと米国は約63%、S&P500だけだと100%。その間のちょうどいい米国比率を自分で決めたいという目的があるなら、2本を組み合わせるのは合理的な方法です。


図で見る|S&P500とオルカンはどれくらい重なっている?

まず、オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー))の国別構成比を確認しておきましょう。

  • 米国:62.8%
  • 日本:4.9%
  • イギリス:3.2%
  • カナダ:3.0%
  • 台湾:2.9%
  • その他:約23%

※2026年4月末時点(日本経済新聞の投信データより)

オルカンの6割強は米国株です。そして、この米国部分に入っている企業の顔ぶれは、S&P500とかなり似ています。

上位10銘柄のうち9銘柄が共通

2026年8月末時点のオルカンの組入上位10銘柄を並べると、次のとおりです。

順位銘柄オルカンでの比率S&P500に入っている?
1エヌビディア4.7%○
2アップル4.4%○
3マイクロソフト3.4%○
4アマゾン2.4%○
5アルファベット(A株)1.8%○
6TSMC(台湾)1.8%×
7アルファベット(C株)1.6%○
8ブロードコム1.6%○
9メタ1.2%○
10マイクロン1.0%○

上位10銘柄のうち、S&P500に入っていないのは台湾のTSMCだけです。オルカンを買っても、S&P500を買っても、一番多く持つことになる企業はほぼ同じなんですね。

両方持ったときの米国比率を図にすると

では、S&P500とオルカンを組み合わせると、全体の米国比率はどうなるのか。配分ごとに図にしてみました。

株式の中身の米国比率(オルカンは2026年4月末時点の62.8%で計算)
S&P500だけ
米国 100%
S&P500 70%+オルカン 30%
米国 88.8%
S&P500 50%+オルカン 50%
米国 81.4%
米国以外 18.6%
「両方半分ずつ」はこれ。米国が8割超
S&P500 30%+オルカン 70%
米国 74.0%
米国以外 26.0%
オルカンだけ
米国 62.8%
米国以外 37.2%
濃い色=米国株、薄い色=米国以外(日本・欧州・新興国など)

計算式はシンプルで、S&P500の割合×100%+オルカンの割合×62.8%です。半分ずつなら 0.5×100%+0.5×62.8%=81.4%になります。

図を見ると分かるとおり、2本をどう組み合わせても、米国比率は62.8%〜100%の間に収まるだけです。両方持つと「米国と世界の両方に分散している」と感じますが、実際には「米国の比率を少し動かしている」にすぎません。

カエデ
カエデ

「分散のために両方」ではなく「米国比率を調整するために両方」。こう言い換えると、両方持つ意味があるかどうかが判断しやすくなります。


両方持つデメリット|なぜ「意味ない」と言われるのか

中身が大きく重なっていることに加えて、両方持つことには次のようなデメリットもあります。

  • 分散しているつもりになりやすい:2本持っている安心感から、実態の米国集中に気づきにくい
  • 管理の手間が増える:積立設定や評価額の確認が2本分になる。1本ずつの損益を見比べて、つい「成績の良いほうに寄せたくなる」のも落とし穴
  • コスト面のメリットはない:どちらも低コストなので、組み合わせてもコストは両者の間になるだけ
  • 比率がずれていく:値動きの差で最初に決めた配分が少しずつ崩れるため、本気で比率を守るなら見直しが必要

特に2つ目は要注意です。「S&P500が+30%、オルカンは+25%」のように並べて見えてしまうと、成績の良いほうに積立を寄せたくなります。これは「過去に上がったものを追いかける」行動そのもので、長期投資ではあまり良い結果につながりません。


それでも両方持つ意味があるケース4つ

配分を計算する
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一方で、次のようなケースでは、S&P500とオルカンの両方を持つことに十分な理由があります。

ケース① 米国比率を自分で決めたい

「米国は強いと思うけど、100%は怖い。でも63%だと物足りない」という人は、2本を組み合わせることで好きな米国比率を作れます。これは両方持つ一番まっとうな理由です。具体的な配分の決め方は、このあと紹介します。

ケース② 企業型DCやiDeCoでS&P500を持っている

勤務先の企業型DCで選べる商品が限られていて、S&P500を選んでいる人も多いと思います(私もそうです)。この場合、NISA側をオルカンにすると、資産全体で見たときの米国集中を少しやわらげられます。口座ごとにバラバラに見ると「両方持っている」ようですが、資産全体としては「1つのポートフォリオ」として設計している状態です。

ケース③ すでにS&P500を持っていて、積立先だけオルカンに変えた

S&P500を積み立ててきた人が、今後の積立先をオルカンに変えると、結果として両方を持つことになります。売却して乗り換えるよりも税金やNISA枠の面で有利なことが多く、自然な形の「両方持ち」です。乗り換えの考え方は下記記事で詳しく解説しています。

S&P500からオルカンに乗り換えるべき?NISAで損しない注意点
S&P500からオルカンへの乗り換えは、売却より「積立先の変更」だけで十分なケースがほとんどです。NISAの非課税枠は売却しても翌年まで戻らず、戻るのも簿価分だけ。年間投資枠の消費、課税口座なら約20%の税金など、乗り換え前に知るべき注意点を具体例で解説します。

ケース④ 夫婦で別々の商品を選んでいる

夫婦のNISAは1人1口座なので、夫がS&P500、妻がオルカンといった形で、世帯としては両方持っていることもあります。それぞれが納得して選んでいるなら問題ありません。世帯全体の米国比率の考え方は、下記記事にまとめました。

夫婦のNISA、S&P500とオルカンは分ける?世帯で見る正解
夫婦でNISAを始めるとき、S&P500とオルカンで分けると分散になる?中身は6割以上重なるため、分けても世帯の米国比率は約81%で分散効果は限定的です。家族カードでクレカ積立できない点や贈与税の注意点、共通口座と個人口座で家計を分ける我が家のルールまで解説します。

両方持つなら|目標の米国比率から配分を逆算する

ケース①のように、両方持つなら「なんとなく半分ずつ」ではなく、目標の米国比率を先に決めて、そこから配分を逆算するのがおすすめです。

S&P500の配分は、次の式で求められます。

S&P500の割合=(目標の米国比率−62.8%)÷(100%−62.8%)

目標の米国比率S&P500オルカン月3万円の積立なら
70%約19%約81%S&P500 約6千円/オルカン 約2.4万円
75%約33%約67%S&P500 1万円/オルカン 2万円
80%約46%約54%S&P500 約1.4万円/オルカン 約1.6万円
90%約73%約27%S&P500 約2.2万円/オルカン 約0.8万円

※オルカンの米国比率は変動するため、年に1回程度、最新の月報で比率を確認して計算し直すのがおすすめです。

こうして目標を先に決めておけば、値動きで配分が多少ずれても、年に1回、積立額の比率を調整するだけで済みます。売却して比率を戻す必要はありません。


私の場合|3本持ちをやめてS&P500一本にした話

両方持つかどうかを考える
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最後に、私自身の経験をお話しします。2023年の旧つみたてNISAでは、次の3本を買っていました(2024年3月時点の運用報告より)。

ファンド取得価額
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)219,008円
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)176,005円
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)5,000円

当時は「いろいろ持っていれば分散になる」と思っていました。でも、この記事で見てきたとおり、3本とも中身の大部分は同じ米国の大型株です。オルカンは5,000円と少なすぎて、全体の配分にはほとんど影響していませんでした。「なんとなく両方持ち」の典型例だったと思います。

この経験から、新NISAではつみたて投資枠をS&P500の1本に絞りました。オルカンではなくS&P500にしたのは、日本株を個別株で別に持っているからです。インデックス側で日本を持つ必要が薄く、それなら納得して持てる米国一本にしよう、と決めました。企業型DCもS&P500なので、インデックス部分は米国100%、そこに日本の個別株を足して全体のバランスを取っている形です。

つまり、私も資産全体で見れば「米国株と日本株を両方持っている」のですが、それは目的を決めて配分した結果です。S&P500とオルカンを「なんとなく両方」持っていた頃とは、考え方が大きく変わりました。

実際のポートフォリオは下記記事で公開しています。

【241万円運用】20代の資産運用状況を公開|インデックス×アクティブのバランス投資【2026.8】
20代社会人が実際に運用している資産の内訳を公開。証券口座の評価額は241万円、含み益は64万円超まで拡大しました。インデックス×個別株のバランス投資と、企業型DCの運用状況もあわせて解説します。

まとめ

  • オルカンの6割強は米国株で、上位10銘柄のうち9銘柄はS&P500と共通
  • S&P500とオルカンを半分ずつ持つと、米国比率は約81%。どう組み合わせても62.8%〜100%の間に収まる
  • 「迷ったから」「分散したいから」の両方持ちなら、1本に絞っても結果はほぼ同じ
  • 両方持つ意味があるのは、米国比率の調整・企業型DCとの組み合わせ・積立先の変更・夫婦で別々などのケース
  • 両方持つなら、目標の米国比率を先に決めて配分を逆算する
  • 私は3本持ちをやめ、日本の個別株と組み合わせる前提でS&P500一本に絞った

「両方持つのは意味ない」と言われるのは、多くの場合「目的なく両方持っている」からです。自分が米国にどれくらい投資したいのかを先に決めれば、1本で十分なのか、2本を組み合わせるべきなのかは自然と見えてきます。S&P500とオルカンの基本的な違いは、下記記事もあわせてどうぞ。

S&P500とオルカンの違い|20代で1本に絞るならどっち?
S&P500とオルカンの違いを「中身(米国比率約6割強)・コスト・値動き」の3点で比較。20代で1本に絞るなら「迷ったらオルカン、米国に賭けると言い切れるならS&P500」が結論です。新NISAでS&P500を積み立ててきた私の実例と、夫婦での分け方・併用・乗り換えの判断まで解説します。

※本記事の数値は2026年9月26日時点で確認できた情報(三菱UFJアセットマネジメント、日本経済新聞の公表データ)をもとにしています。国別構成比・組入銘柄は変動します。特定の商品の購入・売却を推奨するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。

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